映画『KOKORO』@シネ・ヌーヴォ(大阪・九条) [映画]
映画『KOKORO』
この映画は三ヶ月ぐらい前にFBで紹介していて、隠岐の島がロケ地であるということなので、近くに来たら観ようと思っていた。11月から全国展開するという話だったのに、年末になってからやっと年明けに大阪で公開するとの情報が。すでに今週いっぱいで終わると書いてあるようだったので急ぎ観に行った(来週もあると後でわかったw)。シネ・ヌーヴォという映画館は大阪の九条にあり、ずいぶん前にアパラチアを舞台にした "SONG CATCHER" という映画を観に来た記憶があるが、外観を見てもあまり覚えがなかった。
宝塚のシネ・ピピアと提携しているらしく、格安の共通回数券を売っていた。買わなかったけど。
この映画はベルギー出身の女性監督ヴァンニャ・ダルカンタラのメガホンによるベルギー、フランス、カナダ合作映画である。日本の役者陣も國村隼・安藤政信・門脇麦という顔ぶれというのも興味を引いた。舞台のほとんどは日本の隠岐の島だがフランス語もしくは英語のセリフなので字幕である(笑)。
さて内容であるが、夫と思春期の子供二人とフランスで暮らすアリス(イザベル・カレ)の元に、長い間旅に出ていた弟ナタンが戻ってきた。彼は堅実な人生を送る姉を見透かすように「完璧でちっぽけな人生」でいいのか、と挑発する。自分の命の恩人のいる日本に行かないかと誘われるが断る。そのすぐ後に弟がバイク事故で死んだと知り、後悔の念に苛まれる。そして日本に向かうのだった…。
向かった先は日本海に浮かぶ孤島「隠岐の島」の中の一番小さい島「知夫里島」だった。そこの断崖は投身自殺の名所として設定されている。(とここまで書いた時、以前似たような設定の映画を見たような記憶がよみがえったが、それについては後述する)。弟がここに来て身を投げようとした理由を考えるアリスを見て地元の高校生ヒロミ(門脇麦)は自分の民宿に連れていく。そして投身自殺をしようとしている人を救おうと監視を続ける元警察官のダイスケ(國村隼)と出会うのだった。彼の家には様々な理由で自死を選ぼうとした人たちがいて、アリスは一緒に暮らしながら自らの生の意味を考えていく…。
舞台となった「知夫里島」は私の故郷の島の隣にある島で、今までも数えるほどしか訪れてはいないが、故郷同然に感じている。高校生ヒロミは「こんな高校生隠岐にはおらんやろ」とも思ったがフィクションなのでいたしかたない(笑)。この映画は極端にセリフが少なくて、演者の表情やしぐさで観客に訴えようとしているかのようである。そして何よりも「隠岐の自然が語りかけてくれるもの」がこの映画で伝えたかったものなのかもしれない。そそり立つ断崖「赤壁」は死の誘惑をもたらすものであると同時に、再生の力ももたらしてくれるというように。ダイスケが言うように「生きることに意味なんかない」「ただ息を吸って、吐いて」いるだけなのかもしれないが、そんな単純なことに首肯するまでに人はあれこれ迷い、もがいていくしかないのかもしれないな。観た人がそれぞれ考えることではある。
似たような設定の映画を観たようなと先ほど言ったが、2012年公開の『カミハテ商店』という映画がそれだった。こちらの舞台設定は山陰の小さな村「上終(カミハテ)」ということだがロケ地は同じ「知夫里島」である。改めて調べるとどちらの映画もモデルとなっている人は、福井県・東尋坊で自殺防止活動をされている茂幸雄さんだと知って驚いた。そしてロケ地も同じだったという符合にも。このことについてはあまり追求しない方が良いのかな、とも思ったことだよ。
映画が終わったら12時半過ぎていたので、九条の商店街で格安の鰻丼を食べた。MADE IN ??だったけど(笑)大阪は安いなあ。
シネ・ヌーヴォ
大阪市西区九条1-20-24
06-6582-1416
映画『KOKORO』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=-Qs3pmqVEbU
『カミハテ商店』併せて観るのも一興?
この映画は三ヶ月ぐらい前にFBで紹介していて、隠岐の島がロケ地であるということなので、近くに来たら観ようと思っていた。11月から全国展開するという話だったのに、年末になってからやっと年明けに大阪で公開するとの情報が。すでに今週いっぱいで終わると書いてあるようだったので急ぎ観に行った(来週もあると後でわかったw)。シネ・ヌーヴォという映画館は大阪の九条にあり、ずいぶん前にアパラチアを舞台にした "SONG CATCHER" という映画を観に来た記憶があるが、外観を見てもあまり覚えがなかった。
宝塚のシネ・ピピアと提携しているらしく、格安の共通回数券を売っていた。買わなかったけど。
この映画はベルギー出身の女性監督ヴァンニャ・ダルカンタラのメガホンによるベルギー、フランス、カナダ合作映画である。日本の役者陣も國村隼・安藤政信・門脇麦という顔ぶれというのも興味を引いた。舞台のほとんどは日本の隠岐の島だがフランス語もしくは英語のセリフなので字幕である(笑)。
さて内容であるが、夫と思春期の子供二人とフランスで暮らすアリス(イザベル・カレ)の元に、長い間旅に出ていた弟ナタンが戻ってきた。彼は堅実な人生を送る姉を見透かすように「完璧でちっぽけな人生」でいいのか、と挑発する。自分の命の恩人のいる日本に行かないかと誘われるが断る。そのすぐ後に弟がバイク事故で死んだと知り、後悔の念に苛まれる。そして日本に向かうのだった…。
向かった先は日本海に浮かぶ孤島「隠岐の島」の中の一番小さい島「知夫里島」だった。そこの断崖は投身自殺の名所として設定されている。(とここまで書いた時、以前似たような設定の映画を見たような記憶がよみがえったが、それについては後述する)。弟がここに来て身を投げようとした理由を考えるアリスを見て地元の高校生ヒロミ(門脇麦)は自分の民宿に連れていく。そして投身自殺をしようとしている人を救おうと監視を続ける元警察官のダイスケ(國村隼)と出会うのだった。彼の家には様々な理由で自死を選ぼうとした人たちがいて、アリスは一緒に暮らしながら自らの生の意味を考えていく…。
舞台となった「知夫里島」は私の故郷の島の隣にある島で、今までも数えるほどしか訪れてはいないが、故郷同然に感じている。高校生ヒロミは「こんな高校生隠岐にはおらんやろ」とも思ったがフィクションなのでいたしかたない(笑)。この映画は極端にセリフが少なくて、演者の表情やしぐさで観客に訴えようとしているかのようである。そして何よりも「隠岐の自然が語りかけてくれるもの」がこの映画で伝えたかったものなのかもしれない。そそり立つ断崖「赤壁」は死の誘惑をもたらすものであると同時に、再生の力ももたらしてくれるというように。ダイスケが言うように「生きることに意味なんかない」「ただ息を吸って、吐いて」いるだけなのかもしれないが、そんな単純なことに首肯するまでに人はあれこれ迷い、もがいていくしかないのかもしれないな。観た人がそれぞれ考えることではある。
似たような設定の映画を観たようなと先ほど言ったが、2012年公開の『カミハテ商店』という映画がそれだった。こちらの舞台設定は山陰の小さな村「上終(カミハテ)」ということだがロケ地は同じ「知夫里島」である。改めて調べるとどちらの映画もモデルとなっている人は、福井県・東尋坊で自殺防止活動をされている茂幸雄さんだと知って驚いた。そしてロケ地も同じだったという符合にも。このことについてはあまり追求しない方が良いのかな、とも思ったことだよ。
映画が終わったら12時半過ぎていたので、九条の商店街で格安の鰻丼を食べた。MADE IN ??だったけど(笑)大阪は安いなあ。
シネ・ヌーヴォ
大阪市西区九条1-20-24
06-6582-1416
映画『KOKORO』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=-Qs3pmqVEbU
『カミハテ商店』併せて観るのも一興?