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映画『天気の子』@OSシネマズ神戸ハーバーランド [映画]

映画『天気の子』
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新海誠監督による新作アニメーション映画を観てきた。前作の『君の名は。』を観てからもう三年も経っていたのだ。今回も大ヒットらしく、公開から一ヶ月経っても多くの映画館でやっている。月曜日の朝一番だったら空いているだろうと思って行くと、案の定10人ぐらいの入りだった(笑)。

前作とどちらがいいかという論議も世間をにぎわせているようだが、自分的には今作の方がより共感を覚えることができた作品のような気がした。同じような「少年と少女の出会い」を描いているのだが、本作では、今の日本で切実な問題になりつつある「異常気象」の問題が取り上げられていたからだろう。他にも主人公の二人の境遇が「現代の若者たちの貧困問題」に絡むように描かれているということにも興味をひかれた。ファンタジーなのでいずれもそんなに掘り下げられている訳でもないのだが、観る側の想像力をかき立てる何かを感じた。
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少しだけあらすじに触れると、
伊豆諸島で暮らす高校1年生・森嶋帆高は、家出し東京にやってくるが、数日で所持金が尽きたため、フェリーで知り合ったライターの須賀圭介の事務所に転がり込む。
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一方帆高はある事件から天野陽菜という少女と出会う。当時の関東地方は、異常気象により長期間にわたって雨の日が続いていたが、そういう中で「一時的な晴天を呼ぶ『100%の晴れ女』なるものが存在するという都市伝説が流れるのだが、陽菜こそがその「晴れ女」だったのだ…。
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陽菜は巫女のような存在として描かれているのだが、その神通力を使わなくなった時天に召される。その結果三年間雨は降り続き、東京の半分は水没してしまう。地球温暖化による海面上昇でなく、長雨でというのがファンタジーらしいが、それはともかくイメージとしては十分リアリティがあった。70年代の小松左京のSF小説『日本沈没』も少し連想された。ただ、そういう異常気象を作り出した人類を強く批判しているかというとそうでもないように感じた。
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「二百年以上前のこの東京(江戸)は大半が海だった。」というようなことを登場人物の誰かが言っていて、それはこの水没が「天気の子」のせいではないから大丈夫だ、というように説明されていたようだった。人類の愚かな営みのために今の地球温暖化や異常気象、環境破壊が起こっていると言われているが、それは長い地球の歴史の中では小さな変化でしかない。我々はそのことをただ受け止め受け入れて生きるしかないし、自分の生き方をするしかないという非常にシニカルな受け止め方を提示しているようにも見えた。監督が「論議を巻き起こす」ことが製作意図のひとつだ、と語っているのがこの部分なのかなとも思った。
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まあ、実際映画を観て色々考えてもらったらいいと思うのだが、今回も映画を観て強く思ったのは、作画による情景描写の素晴らしさだった。特撮や空撮・ドローン撮影でもできない、こうあってほしいと思う情景描写を見事に再現?していることに今回も驚いた。日本のアニメーション技術の素晴らしさを改めて感じた。そういう意味でも「京アニ」の多くの優れたアニメーターたちの命が、一人の愚かな人間によって奪われたのは無念でならない。そんなことも考えながら劇場を後にした。
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【天気の子 】『大丈夫』 超高音質 RADWIMPS
https://www.youtube.com/watch?v=3BbAzcqrxsY

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サンフランシスコ人

『天気の子』......来月、サンフランシスコの映画館で上映....

http://www.roxie.com/ai1ec_event/27864/?instance_id=38476
by サンフランシスコ人 (2019-12-24 07:47) 

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