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映画『カメラを止めるな!』@ OSシネマズ神戸ハーバーランド [映画]

<映画『カメラを止めるな!』 @ OSシネマズ神戸ハーバーランド
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この映画が話題になったのは8月の初めごろだった。低予算で作られたインディペンデント映画で、初めは都内の2館だけの上映だったのが、評判が評判を呼んで、ついに全国展開することになった。阪神間で上映されるのは少し後になるようだったので、スマホにメールして書き留めていたが、そのうち忘れかけていた。台風21号とその後の雨で、外に出かけることもままならず、ふと今やっている映画を見るとこれがあった。「シネ・リーブル」や「元町映画館」と「OSシネマ」で同時に上演しているところにこの映画の広がり方の特異さを感じた。

ジャンルとしては「ゾンビ映画」ということになるようだ。この手の映画はほとんど観ないので、ゾンビ映画のなんたるかはよく分からないが、どうも普通のゾンビ映画とは違うようだ。ゾンビ映画でありながらコメディ映画であり、ファミリー映画でもある、というような映画である。自分もそうであったが、予備知識なしで観た方が100倍楽しめるので、ネタばれしないように書いているのだがなかなか難しい(笑)。
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本作の英題は『One Cut of the Dead』というようで、ワン・カットの長回しで撮影することを指す。邦題の『カメラを止めるな!』もそれに引っかけられている。内容は「人里離れた山の中で、自主映画の撮影クルーがゾンビ映画の撮影を行っている。リアリティーを求める監督の要求はエスカレートし、なかなかOKの声はかからず、テイク数は42を数えていた。その時、彼らは本物のゾンビの襲撃を受け、大興奮した監督がカメラを回し続ける一方、撮影クルーは次々とゾンビ化していき……。」というものである。
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ワンカットで作るゾンビ映画の撮影風景を撮影した冒頭の37分は、ゾンビ映画特有の?気持ち悪さの中に、所々の違和感や、「ここ笑っていいの」というような部分、低予算なのであちこち編集ミスがあるなあ、と思いながら観ていた。全部で96分のはずだよな、とやや退屈も感じながら観ていると、後半が始まり、この映画の肝に入っていく…。本作のキャッチコピーには「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」であるが、まさにその通りであった。
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この映画に関しては、上田慎一郎監督がかつて劇団「PEACE」(現在は解散)の舞台作品『GHOST IN THE BOX!』を観てインスパイアされて作られたという。元劇団主宰の和田亮一氏が映画の「原作」を主張して、著作権問題が起きているらしい。「原案」と「原作」の違いについては微妙なところがあって何とも言えないが、せっかくの素晴らしい映画なので、うまく折り合ってもらいたいとも思う。また、役者陣は全てオーディションで選ばれた無名の役者さんらしいが、それぞれの役にぴったりとはまり、実に生き生きとした演技をしていた。これは役者を見てから「あて書き」として脚本を作るという手法によるもののようだ。
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テレビドラマとも舞台演劇とも違う、「映画」というジャンルでないと表現できないものとは何か、と映画を観ながら時折考えることがあるが、この映画はそういった「映画」独特の魅力を伝えてくれている作品であることは間違いない。是非予断を持たずに映画館に足を運んでもらいたいと思う映画であった。



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サンフランシスコ人

『カメラを止めるな!』.....2018年12月15日にサンフランシスコの日本町の映画館で上映...

http://www.newpeopleworld.com/schedule/2018/12/15/one-cut-of-the-dead
by サンフランシスコ人 (2018-10-21 03:30) 

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