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映画『私はマリア・カラス』@神戸シネリーブル [映画]

映画『私はマリア・カラス』(原題:Maria by Callas)
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年末からやっていたこの映画、入院騒動で観られていなかったので、正月明けのこの日観に行った。

マリア・カラスの名はあまりに有名なので知ってはいたが、オペラなどという高尚な音楽にはあまり縁のない人生を歩んできたので、その音楽には触れずじまいだった。このところクイーンやクラプトンなど音楽伝記映画を観てきたので、その流れで観ようと思った。定期的にこの種の映画は作られているとは思うのだが、自分の感覚では立て続けという感じだ。21世紀になって20年近く経って、「20世紀の歌」を振り返ろうという機運が高まっているのかもしれない。
MARIA CALLAS
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マリア・カラスはギリシャ系アメリカ人で、1923年にニューヨークで生まれ、1977年に54歳で亡くなった。デビューしたのは1938年と言われているが、彼女の声の絶頂期は10年ほどに過ぎなかったとも言われている。若い頃から厳しい母親の教育などにより、よく訓練され安定していた彼女の声は、「彼女のキャリアや美貌に嫉妬する数々の嫌がらせや捏造されたスキャンダルによっての心労、不摂生なプライベート生活」(wiki)などから急速に衰えたと言われている。映画の中でも歌われていた彼女の当たり役(曲)「ノルマ」は声への負担が大きい難役で、そういう無理がたたったのだろう。
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インタビューなどでの彼女の受け答えは、ともすれば傲慢とも受け止められかねないものだったが、裏を返せば、彼女がマスメディアにおもねらず、常に自分の実感を語っていたのだと見ることもできる。彼女は歌を歌うときも、海運王オナシスとの秘められた恋にのめりこむときも、常に自分の気持ちに真摯に従っていたのだというように受け止められた。何より彼女の歌う歌が、その役柄の心情を余すこそなく再現しているため、私のような門外漢の心をも揺さぶるものになっているのだろうと思う。
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正直初めの方では、オペレッタの無機質とも思われる(門外漢にとってだが)演奏や歌にやや睡魔に襲われるときもあったのだが、次第に彼女の歌に惹き込まれ、終わるときにはもっと観ていたい聴いていたいと思えるようになった。オペラに興味のない方が観ても十分感動を分かち合うことができる映画だと思う。マリアが、歌の中に人生の喜びや哀しみ、辛さや憤りを込められる「本物」の歌い手であるからだと思う。
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youtubeは2つあげておくが、他にも沢山あるのでおいおい聴いてみようと思う。
AVE MARIA DI SCHUBERT - MARIA CALLAS
https://www.youtube.com/watch?v=sE1WoMocTlw

Maria Callas 'London Farewell Concert' at the Royal Festival Hall with Giuseppe di Stefano, 1973
https://www.youtube.com/watch?v=F1mO7_C3tCs


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