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映画「コスタリカの奇跡~積極的平和国家のつくり方~」@第七藝術劇場(十三) [映画]

映画「コスタリカの奇跡~積極的平和国家のつくり方~」(原題:A BOLD PEACE)
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少し前にFBでこの映画の上映会の案内が載っていて興味を持ったが、その日に行けるかどうか微妙だったので、申し込まずにいた。普通の映画館ではやっていないのかな、と思って検索してみたら、十三の「第七藝術劇場」でのみやっていて、11月9日が最終日だったので行ってみることにした。この映画館は初めてだったが、若松孝二監督の特集をするなど、なかなか骨のある上映姿勢を持った映画館と感じた。
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この映画、2016年に作られたらしいが、日本ではこの6月からの公開で、映画館公開はせず、「全国128ヶ所に広がる『cinemoシアター』や、単発上映会を『cinemo』で市民が担う、市民上映会で、市民の手で」公開されているとのことだが、観てみて素晴らしい映画と感じただけに、なぜそのような形での公開になっているのか不思議に思った。
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コスタリカという国についてはほとんど知らず、2014年のサッカーWCでベスト8に進んだぐらいの知識しかなかった。この中米の小国が1948年以来軍隊を放棄し(警察組織は残している)、軍事費を社会福祉(教育・医療・環境など)に割り振り、民主的平和国家として現在まで存続し続けているという奇跡的的な事実を、その発端からいくつかの内紛や米国などの大国の干渉をはねつけて来た経過をたどってみせている。
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中立国を標榜している国はいくつかあるようだが、スイスなどでも軍隊は存在する。そういう意味でもコスタリカのやったことは驚嘆に値する。翻って我が国は、進駐軍の米軍の駐留からスタートし、核の傘に守られ、近隣には大国の脅威にさらされているように見えるが、はたして現在の軍装備で本当に周囲の脅威に対する抑止力はどれだけ実効性があるのだろうか。コスタリカの指導者の「少しばかりの軍事力では、所詮大国の軍事力にかなうわけもない」という腹の括り方には目からウロコの思いがした。
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少し前に観た「華氏119」でも拝金主義に蝕まれた米国の社会・政治状況が描かれていたが、それは日本でも同じことのように思われる。大企業の利益誘導のためにしか動かず、多くの富裕でない一般市民の声が反映されないような政治状況が動かなければ、我々を取り巻く社会はますます縊路に突き進むしかないように思う。コスタリカも近年は海外の大資本が流入して、貧富の差が拡大しているようだ。それは日本の地方都市の商店街がシャッター街になっているのと同じであるように思われた。
現大統領。
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我が国の政治家の皆さん、特に野党の方々には、コスタリカのような確かなモデルケースをしっかり分析・研究し、「お花畑」と揶揄されないような、現実的な非軍事化の道を提示してもらいたいものだ、と政治音痴の私でもつぶやきたくなった。そういう意味でも、この映画がもっと多くの人々の目に留まるような上映方法にならないのかもどかしくも感じた。「第七藝術劇場」も上映できたのだから。

まあ、一番何も知らなかったのは他ならぬ私自身であったのだから、これから少しずつでも正しい情報を得る努力をしなくちゃね、と思ったことだよ。

フェイスブック「コスタリカの奇跡~積極的平和国家のつくり方~」
https://www.facebook.com/costaricanokiseki/

『コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=pnxGYapjZME

コスタリカから学ぶ平和と民主主義
https://www.youtube.com/watch?v=2eveF_s8W-Q

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