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Song For Canada(カナダの歌)[私の好きな20世紀の唄たち]vol.85 [20世紀の歌Ⅱ]

Song For Canada(カナダの歌)
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 written by Ian Tyson & Pete Gzowski
 "Early Morning Rain"所収(1965)

イアン・タイソンの曲を[20世紀の歌]で取り上げるのはこれで4度目である。フォークデュオ "Ian & Sylvia" については高校の頃までは名前ぐらいしか知らなかった。他のアーティストがカバーしているのを聴いて、誰が作った歌かと調べると、イアンの作だったという具合であった。古今の佳曲を発掘して?歌っている自分には相応しい出会いの形だったかもしれない。
SOMEDAY SOON(Bluegrass 45)
Summer Wages(J.D.Crowe & New South)
Four Strong Winds(Brothers Four)
そのイアンが昨年の暮れ(2022.12.28)に亡くなったというニュースを知った。89歳というから大往生と言っていいのかも知れない。最期までカウボーイであり続けた彼の生涯を偲び、これからも彼の歌を歌い継いでいきたいと思う。お疲れ様、イアン。R.I.P.
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さて「カナダの歌」であるが、カナダにおけるフランス系の住民とイギリス系住民との軋轢を扱った歌である。特にケベックでは、先に入植したのはフランスからの移民で、後になってイギリス人が入植し、イギリス領になってからは「イギリス系ロイヤリスト中心のアッパー・カナダ、ケベックを含むフランス系中心のローワー・カナダに分かれて行き、…」(wiki)。この歌が書かれた頃はベトナム戦争に対する反戦運動なども絡んで、複雑な国内情勢が背景にあったようだ。
冬のケベック・シティーとセントローレンス川。
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発表された当時はそこそこヒットしたが、評価は賛否両論あったようで、民族の対立や社会的格差が複雑に絡み合っていると、単純に「みんなで一つになろう」というようなメッセージを出されても、もろ手を挙げて賛同する気持ちになれないだろうということは、理解できなくもない。美しいメロディと素晴らしい詞を持つこの歌が、"For Strong Winds" が第二のカナダ国歌と言われたようにはならなかったのは、そういう事情があったのだろうと推察できる。

今、世界のあちこちで民族紛争が起こり、解決の兆しも見えない状況が続いているのを見ると、長い歴史の中で複雑にねじれあったこれらの問題の難しさを感じてしまう。でも、時間をかけてでもいつかは融和できるはず、という希望を持ち続けることも、「一つの地球」に生きる私たちには必要なことなのだろうとも思う。だから、この歌も一時の毀誉褒貶にめげることなく、多くの人々によって歌い続けられるべき歌なのだろうと思ったことだ。

youtube はあまりなかったが以下の4曲を。

Song For Canada Ian & Sylvia
https://www.youtube.com/watch?v=Y95TnSLdFfU
Song For Canada (Live) Ian & Sylvia
https://www.youtube.com/watch?v=J8CNSZx2fIc

カナダの歌 Ryoko Moriyama 中学生の時この人の歌で知ったのだった
https://www.youtube.com/watch?v=M7KfD6otryA

Song For Canada The Mitchell Trio
https://www.youtube.com/watch?v=07cWsZHDC4Y


カナダの歌(大意。原詩は検索してみてください。)

なぜ互いに話し合うことができなくなっているの
今ではどちらも変わっていっているというのに
随分長い間互いにいがみ合ってきてしまったね
でもまだ多くのことを分かち合っているはずさ

**
一本の大きな川が海に向かって流れ続けている
ただ一つの川が永遠に流れている
この土地には二つの国が岸辺に沿って在るけど
そこには一本の川が自由に流れているのさ

どうして私たちがそこに存在しないかのように振舞うのか
あなたが見つけたこの新しい憎悪はいったい何?
これまでたとえどんなに不当な扱いを受け痛みを感じたとしても
あなたを抑えつけたのは決して私たちではない

***

誇り高く生きるあなたを嬉しく思っていることをどうして解ってくれないの?
あなたが自分の力でうまくやって来たことは解っているんだ
そうして手に入れた誇りがあればもう理解してくれてもいいはず
これからは一人で立ち続けなくてもいいんだということを

****
孤独な北の川も一つに集まって流れているよね
そこにはただ一つの川が永遠に流れている
この土地には二つの国が岸辺に沿って在るけど
そこにはただ一本の川が…それはあなたと私




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