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サークル・ゲーム[私の好きな20世紀の唄たち] vol.77 [20世紀の歌Ⅱ]

The Circle Game
written by Joni Mitchell

Buffy Sainte-marie
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この歌は1970年公開の映画『いちご白書』の主題歌としてヒットしたので知っていた。歌っていたのはカナダのネイティブアメリカンでシンガーソングライターのバフィー・セントメリーだったので、ずっと彼女が作ったのだと思い込んでいたが、作ったのはジョニ・ミッチェルだったと後になって知った。それでもバフィーの独特のビブラートで歌われるメロディが今でも耳について離れないから、気分的には彼女の歌だというイメージである。そういえば前に取り上げた「青春の光と影」もジュディ・コリンズの歌だと思っていたなあ。
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少し調べて見ると、この歌が作られたいきさつが書かれてあった。1965年頃、カナダのフォーククラブに出演していたジョニは、同じくフォークシンガーとして活動していたニール・ヤングが歌った"Sugar Mountain"という歌を聴き、その返歌として作ったのがこの歌だということである。ニールは20歳を過ぎたらこれまで女の子相手にやっていたロックンロールバンドなどやっていられない、青春は終わったのだと歌っていて、2歳年上だったジョニはそれに対するアンチテーゼの歌で、これからの人生も捨てたもんじゃないという趣旨で書いたのだという。
Joni Mitchell
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この歌を最初に録音したのはイアン&シルビア(67年4月)で、次いでバフィーが67年7月に録音したとされている。ジョニ自身は3枚目のアルバム(70)で初めて録音したということである。"Circle Game"という語は調べてみてもよく分からない。歌の中で出てくるメリーゴーランドから連想した彼女の造語かと思われる。私は例によって歌の内容もよく考えず、仏教的輪廻のような世界観を勝手に想像していた。"Life is like the circle game" とでもいうように。人生はメリーゴーランドのように繰り返し廻り回っていくものだという歌詞からすると、私の勝手な思い込みの解釈もあながち的外れではなかったのかなという気もする。人生の無常を感じるようになった今でも時々ふと"round and round and round …" というフレーズが頭の中を駆け巡るのだった。

バフィー・セント・メリーについてよく知っているわけではないが、70年代にベトナム反戦運動やアメリカ原住民解放運動に熱心だったという。彼女が作った歌としては知っているのは、"Soldier Blue"やドノバンが歌った"Universal Soldier"ぐらいだろうか。ブルーグラスでも取り上げられている "Many a Mile" は彼女も歌っているが、作ったのはPatrick Skyという人らしい。今回調べてみて分かったのは82年の映画『愛と青春の旅立ち』の主題歌で、ジョー・コッカーとジェニファー・ウォーンズのデュエットでヒットした "Up Where We Belong" が彼女と夫君のジャック・ニッチェの共作だったということだった。調べて見るもんだね。

youtubeは以下の2つを。他にもいろいろある。

Buffy Sainte-marie The Circle Game
https://www.youtube.com/watch?v=Tqpx0xKAGvE

Joni Mitchell The Circle Game (Official Audio)
https://www.youtube.com/watch?v=5NEkJhBHh54


サークル・ゲーム(大意。原詩は検索してみて下さい。)

物心ついた頃は様々な事への好奇心が生まれ
捕まえたトンボを瓶に入れておいたり
空いっぱいにとどろく雷鳴に驚いたり
流れ星に涙したりした

**
そして季節は巡ってゆき
ペンキの塗られた木馬は上がったり下がったり
時間という回転木馬に捕らえられて
後戻りすることはできず、たどってきた道を振り返ることしかできない
そしてサークルゲームの中でぐるぐる回り続けるの

それから10年の歳月が過ぎ
澄んで凍った小川をスケートで滑るように成長した
もう少し大人になったらという言葉になだめられ
いつかという希望が夢を育んでくれる

今では16回の春と16回の夏が過ぎて
おもちゃの車は街を走る本物の自動車に
みんながこう言う、時間を大切に今を楽しめ。
じきに大人になってしまい、いつか足を引きずって
自ら時の流れを遅らせるようになってしまうから

そしてまた年が巡り少年はもう二十歳になった
彼の夢は思い描いていたものより少し小さくなっちゃったけど
その代わり新たな夢が、たぶんより良く豊饒な夢が
人生を締めくくる年が巡ってくるまでね



Soldier Blue: Best of the Vanguard Years


The Circle Game


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