SSブログ

Goodbye Yellow Brick Road[私の好きな20世紀の唄たち] vol.75 [20世紀の歌Ⅱ]

Goodbye Yellow Brick Road  邦題:黄昏のレンガ路
Written by Elton John & Bernie Taupin 1973
001.jpg

エルトン・ジョンについては伝記映画のレビューで少し触れた(映画『ロケットマン』)。その映画を観て、それまでエルトンが詞も曲も書いていると思い込んでいたが、詞の方は一度決別した時期があった以外は、ほとんどバーニー・トーピンが書いていたのだと知った。ファンなら知っていて当然のことだが、当時ろくにクレジットも見ずに、レンタルで借りてカセットテーブに録音して聴いていたぐらいだから、ある意味仕方のないことかも知れない。

売れないバンドマンだったエルトンが、リバティ・レコードの募集広告に応募した時、同じく応募していたバーニーと出会い、コンビを組む。それからのサクセスストーリーは書くまでもないほどである。ド派手な衣装でスーパースターへの階段を登っていくエルトンとそれを陰で支えるバーニーという構図だろうか。バーニーが書く詞は、次第にエルトンの生きざまを投影したものになっていったのかも知れない。都会育ちのエルトンに比べて、バーニーはロンドンから200キロ北にある電気も通らない農家の出身のようなので、環境の落差はエルトンの比ではなかっただろうと推察される。
002.jpg
標題の曲は1973年発表されエルトンの最高傑作とも言われるアルバム "Goodbye Yellow Brick Road" に収録されている。エルトンとのコンビを休止するのはもう少し後のようだが、この曲の中に急激にスターダムに上り、ヒット曲を量産しなくてはならないことへの疲れや違和感が表されているような気がする。あくまでも私の主観によるものではあるが。最初の数節をその主観によってあえて意訳すると、「お前はいつになったらこんな浮かれた世界から降りるんだい いつになったら地に足を付けた生活に戻るつもりなんだ 俺はあの穏やかな農場の生活にとどまるべきだった (とどまれと言った)親父の忠告に耳を貸すべきだったんだ」となる。歌詞の解釈については様々な説があるようだが。
003.jpg
"Yellow Brick Road" はミュージカル映画『オズの魔法使い』の中で、エメラルドの都"OZ"に向かう「黄色いレンガ道」として出てくる。この道に続くオズの国は果たして理想の国なのか、それとも欲望渦巻く幻想の理想郷に過ぎないのか。バーニーにとってはどうも後者であったように思われてならない。歌詞を見ると結構ストレートにその時期のエルトンの状況を危惧し、諭している内容のようにも見える。そんな詞にこんな素晴らしい曲を付け、アルバム・タイトルにもしたエルトンって…、と思ってしまう。ゲイでもあったエルトンと常に仕事を共にして緊密な関係であったバーニーだが、音楽と私生活をきっちり峻別して、仕事上のベストパートナーであり続けた二人の関係には、我々には計り知れない互いへのリスペクトと絆があったのだろうと思う。
004.jpg
一度は袂を分かっていたバーニーが再び全曲を作詞した83年のアルバム"Too Low for Zero" に収録されている "I'm Still Standing" という曲がある。詞の真意はともかく、二人が再びタッグを組んで世に立ち向かおうとしている歌のように思えた。思えばバーニーは、一緒にいる時も離れている時も常にエルトンのことを見守ってきたのだろう。


youtubeは次の三つを。

Elton John - Goodbye Yellow Brick Road Lyrics
https://www.youtube.com/watch?v=DDOL7iY8kfo

Sara Bareilles - Goodbye Yellow Brick Road (Live Cover)
https://www.youtube.com/watch?v=eAti8JNmJi8

Goodbye Yellow Brick Road · Queens Of The Stone Age
https://www.youtube.com/watch?v=PyBAI7MGXTs



さよなら黄色い煉瓦路 (大意。原詩は検索してみて下さい。)

お前はいつになったらこんな浮かれた世界から降りるんだい 
いつになったら地に足を付けた生活に戻るつもりなんだ 
俺はあの穏やかな農場の生活にとどまるべきだった 
(とどまれと言った)親父の忠告に耳を貸すべきだったんだ

俺をずっと引き留めておくなんて無理だってわかってたはずだ
お前と約束した覚えはない
俺はお前の友達のための贈り物なんかじゃない
ブルースを歌うにはまだ若すぎるんだ

*
だから黄色いレンガの道とはおさらばだ
あんな金持ちが大騒ぎしている所はたくさんさ
お前の住むペントハウスに俺を閉じ込めておくことはできないよ
田舎に帰って田圃でも耕すつもりさ

**
森の中でイボガエルを狙って鳴いている
フクロウのもとに帰るんだ
おお、俺はやっと決めたんだ
黄色いレンガ道の向こうにある世界に行くってことを

そしたらお前はいったいどうする?
奴らはいつかきっとお前の乗った飛行機を撃ち落とすぞ
お前を再び地に足の着いた暮らしに戻すには
2・3杯のウォッカトニックが必要かもな

多分俺の代わりはすぐに見つかるさ
俺ぐらいの奴はいくらでもいる
地面を這いつくばってお前に近づき
分け前にありつこうと嗅ぎまわっている俗物どもがな

*
**


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。