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AGE [私の好きな20世紀の唄たち]vol.57 [20世紀の歌Ⅱ]

AGE
written by JAMES CROCE / INGRID CROCE
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ジム・クロウチのことは前に "I Got A Name" を取り上げた時に書いたが、あの曲はジム自身の作ではなかったことは述べた通りである。今回取り上げた "AGE" という曲は妻でもあるイングリッドとの共作である。私がこの曲を初めて聴いたのは78年に出された "Mike Auldridge & 'Old Dog'" というブルーグラスのアルバムで、セルダム・シーンにも在籍していた Phil Rosenthal が歌っていたものであったと思う。そのアルバムでは他にもジムの曲 "Thursday"(作者は Sal Joseph ) を演奏していて、その辺りからジム自身のアルバムを聴くようになった。

この曲はジムの死の直後('73)に出されたアルバム "I Got A Name" に入っていたので、その少し前に作られたのかなと思っていたが、今回改めて調べてみると、68年に出された"Jim & Ingrid Croce" に入っていた。73年のものより素朴でフォーキーなサウンドである。
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売れないフォークシンガーだったジムが、イングリッドという伴侶を得て、貧しくとも理想を追い求める人生を送ろう、と心に決めた様子が歌詞の端々からあふれ出ている。
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70年代になって、音楽の盟友になる lead guitarist である Maury Muheleisen と出会い、次々とヒット作を生み出してゆく。そしてこれからという矢先の73年に飛行機事故で盟友とともに亡くなってしまうのだった…。

その後ブルーグラスバンドを始め、多くのミュージシャンによってカヴァーされるようになったこの曲("Right Back Where I Started Again"という題名の場合もあるようだ)であるが、ミュージシャンとしての自分を重ねることができるからかもしれない。二人がこの曲を作ったとき、よもや数年後全米No.1ヒットを出すとは思っていなかっただろうし、そのほうがこの曲の味わいもより深いものになるなあ、と思うのは私だけだろうか。
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youtube は先ずジム夫妻のもの
Jim & Ingrid Croce Age
https://www.youtube.com/watch?v=K1OtgPiZJns
次に"I Got A Name"に入っているもの
https://www.youtube.com/watch?v=j5sO0HbB5WY
オマケに最近一人多重録音したものをこっそりw

オマケその2.80年ごろのフェスの音源です(笑)



AGE (大意。原詩は検索してみてください。)

良かったり悪かったりの人生を繰り返しながら
またこの場所に戻ってきた
いろんな所を渡り歩いたけど
何時どこにいたのかなんて忘れてしまった
壁にかかった時計だけが俺のボスだったし
たった一人の友達だったんだ
真の友なんて一人もいなかったのさ

***
愛と少しばかりのお金を交換して
大事な魂をはした金で切り売りしてきた
時の長いトンネルを潜り抜ける中で
理想だって失ったのさ
俺はようやく逆立ちしていた道から立ち直り
この場所に戻ってきたんだ
ここからもう一度自分の人生を
やり直すんだと気付いたのさ

100万ドル稼いだときもあったけど今では一文無しさ
今じゃそんな違いなんてどうでもいいと思えてきた
5セントしか稼いでない時も100万ドル稼いでいる時も
俺はいつも追い求めてきたんだ
決して失ってはいけないもの置き忘れたらいけないものを

人生の折り返し点に立って
今も頂点を目指して歩いているよ
道の途中でいろんなことを学びながらね
注意深く登っていくつもりさ
落っこちて傷つくことも多いからね
落ち込んだって誰も振り返ってなんかくれないさ


I Got a Name


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