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須磨の秋@「須磨寺」 [日々の散策]

須磨寺の白眉、三重塔。
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「須磨には、いとど心尽くしの秋風に、海は少し遠けれど、行平の中納言の、関吹き越ゆると言ひけむ浦波、夜々はげにいと近く聞こえて、またなくあはれなるものは、かかる所の秋なりけり。」(『源氏物語』須磨巻)授業で何度も教えたが、あまり上手くできたという記憶がない。
今日訪ねた須磨寺は上述の文章のとおり、海から少しだけ離れた所にあり、近くには在原行平ゆかりの「松風村雨堂」もあるので、この辺りが須磨巻で語られている場所であろうと考えても、そう大きくはずれてはいないだろう。源氏に少しだけ思いを馳せながら訪れた。まあ、物語の季節は旧暦の八月十五夜だから2ヶ月遅いのだけれど。

寺の駐車場はここのところ何度か通っている旧神明を入ってすぐのところにあった。無料なのに車の整理をしているおっちゃんが二人もいて恐縮してしまうほどだ。
駐車場からの見晴らし。
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須磨寺は 仁和2年(886年)の創建といわれているので、紫式部のころにはもう存在していたはずである。伽藍は想像していたより広く、本堂も立派なものであった。この本堂は豊臣秀頼によって再建されたとあり、秀吉亡きあとの淀君母子が地位を守ろうと、各地の寺社の再建や寄進をしていたことがこの地にも及んでいたのか、と何か痛ましい感じがした。
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平安女流文学者たちの石人形
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境内には源平合戦のゆかりのものが点在していて、「敦盛塚(ここは首塚、須磨浦公園にあったのは胴塚らしい)」や「義経腰掛の松」など多数あった。
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また、意外と世俗的なものもあり、たとえば「七福神マニコロ」とか「見ざる、聞かざる…の『五猿』」や「わらべ地蔵」など庶民向け、と思われるものが多く点在していた。エンターテインメント性の高いお寺であるww
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紅葉の名所でもあると聞いていたが、まだ少し早かったようである。もう少し経ってから再訪しようと思いながら寺を後にした。

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