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アメリア・エアハート [私の好きな20世紀の唄たち] vol.83 [20世紀の歌Ⅱ]

AMELIA EARHART'S LAST FLIGHT
written by Red River Dave McEnery
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アメリア・エアハートは、アメリカのカンザス州アッチソン出身の女性飛行家で、1932年に大西洋単独横断飛行に女性初で成功し、脚光を浴びる。数々の飛行記録を樹立した後、1937年7月、赤道上世界一周を目指して飛行中に南太平洋上で消息を絶った。標記の歌はそのことを歌った "Topical Song" である。アメリカのフォーク・シーンなどではこうした社会的事件を扱った歌が少なくない。前回取り上げたウディ・ガスリーの "Deportee" もそうした歌の一つである。
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アメリアの乗った飛行機はその後発見されなかったため、スパイ説や日本軍に撃墜された等々様々な説が現在に至るまで飛び交っているようだが、本稿の主旨からは離れてしまう部分があるのでやめておく。私自身『アメリアを探せ―甦る女流飛行作家伝説』(青木冨貴子)という本をかつて購入したことがあるくらいだが、実はちゃんと読んでいなかったのだ(笑)。

私がこの歌を知ったのは、ブルーグラス・バンドの "The Country Gentlemen" と"The Greenbriar Boys" のアルバムに入っていたからだった。どちらも大学に入ってすぐぐらいに聴いて、バンドで演奏していた。特にジョン・ダフィの間奏が飛行機が墜落していく様を上手く演奏しているように思われたので、よくバンドで真似をしたのを覚えている。
The Country Gentlemen
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The Greenbriar Boys
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他でこの歌を歌っている演奏は寡聞にして知らずにいたが、今回改めて検索してみたら、原作者の "Red River Dave McEnery"(50年代に活躍したテキサス出身のカントリーシンガー)のものとイギリスの70年代のカントリーロックロックバンド "Plainsong" のものがヒットした。こちらはかのイアン・マシューズが入っていたバンドで、"In Search of Amelia Earhart" という、アメリアのことをテーマにしたコンセプトアルバムのようだ。また探して聴いてみようと思ったことだ。ブルーグラス版の方ではカットされていた2番の歌詞も判ったのは良かった
Red River Dave McEnery
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Plainsong
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最近観たTV番組『RBG最強と呼ばれた女性判事~女性たち~百年のリレー』で、自由と平等を求めた女性たちの百年にわたる闘いを紹介する中に「世界一周を目指して空に散った女性パイロット」としてアメリアが紹介されていた。つまらない予断は排して、冒険飛行家として次々に新たな挑戦を続けていた女性の不運な事故と受け止めて、この歌をこれからも口ずさんでいこうと思ったことだ。

youtubeは本文中で紹介したものを。他にもあるかも。
Country Gentlemen 1969 - Amelia Earhart's Last Flight

The Greenbriar Boys 1962 - Amelia Earhart's Last Flight
https://www.youtube.com/watch?v=TQse8frEcMI
Dave McEnery - Amelia Earhart's Last Flight
https://www.youtube.com/watch?v=l0JtiOuXZck
Plainsong 1972 - Amelia Earhart's Last Flight
https://www.youtube.com/watch?v=hrCu3Pkqzgg
カナダ・オタワの現役ブルーグラスバンドの演奏も。
The Amelia Earhart song by Wil Ryder and the OCBB



アメリア・エアハート最後の飛行(大意。原詩は検索してみてください。)

洋上の船から見上げた空に小さな斑点が見え
アメリア・エアハートはその悲しい日の飛行を続けていた
7月2日のその日、相棒のヌーナンと共に
彼女の飛行機は遠い海の彼方に消えた

**
美しい美しい野原が広がっている
遠く離れた美しいかの地には
どうか安全な着陸をアメリア・エアハート
さよなら、世界初の女性飛行家よ

彼女は飛行位置を無線で伝え、全ては順調だと言った
燃料タンクの残りは少なかったが
彼女の単葉機に燃料を補給しようとハウランド島に立ち寄り
その後再び世界中を飛び回ろうとしていた

さて30分後にSOSが聞こえた
信号は弱かったが彼女の声はまだ勇敢だった
ああ、サメが泳ぐ海で彼女の飛行機はその夜墜落した
青い太平洋の海の中の墓の中に

人々は私の話したこの凄惨な悲劇を今知るのだ
私たちは彼女が再び無事生還することを祈っている
一方では彼女の飛んだ経路をたどってみる人々もいるだろうが
この先何年も私たちはアメリアと彼女の乗った飛行機のことを決して忘れないだろう

**
美しい美しい野原が広がっている
遠く離れた美しいかの地には
どうか安全な着陸をアメリア・エアハート
さよなら、世界初の女性飛行家よ



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