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映画『エルヴィス』@TOHOシネマズ西宮OS [映画]

映画『エルヴィス』
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エルヴィス・プレスリーの伝記映画をやっているというので、映画館を探したが、7月1日封切ということで、どの映画館も一日一回の上映であった。TOHOシネマズ西宮OSが12:40~なのでこちらで観ることに。まあ、全ての上映館を合わせると朝から夜までやっているので、選ぶことは出来るか(笑)。

「キング・オブ・ロックンロール」と称されるエルビス・プレスリーについては今さら説明の必要もないだろうが、カントリーにリズム&ブルースを加味したロックンロールという、新しい音楽を生み出した革命児という形容には、いまいちピンと来ないものがあった。エルビスの映画は「ブルー・ハワイ」などの彼が主演したハリウッド映画や、カムバックした後の『エルビス・オン・ステージ』などのドキュメンタリー映画はあったが、本格的な伝記映画はあまりなかったように思う。
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それはともかく、この映画では彼の幼少期の境遇に始まって、サン・レコードからのデビュー、悪徳マネージャーと言われたトム・パーカー大佐との出会い等々丹念に描かれていて、今までぼんやりとしか分かっていなかったことの幾つかが得心できたのはよかった。
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幼少期にメンフィスの黒人社会の中の白人用住宅に住んでいた彼が、ブルースやR&Bに親しんでいたのはごくごく自然なことだったように思う。だから、彼が歌うカントリーがR&Bと融合してロックンロールと呼ばれる音楽になったことに驚いたのは、だれよりも旧弊な周囲の白人社会の人々であったのだろう。私のような後の世代の人間が、彼の音楽にさほど違和感を抱かず、「音楽の革命」という言葉になじめないでいるのは、公民権法が成立する以前の保守的なアメリカ社会に身を置いていなかったからかも知れない。劇中でハンク・スノウと共演している場面があって、さすがにそこでは両者の立ち位置の違いがはっきり見てとれて面白かったが。
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全編を通して強く伝わってきたのは、彼の歌に対する情熱と愛、そしてやさしさと弱さと孤独だった。突出したソロアーティストであったがゆえに、強欲なマネージャーと知りつつ、敏腕でもある大佐に頼り、最後まで切ることはできなかった。ワーカーホリックになる程の過酷なライブ公演を強いられ、続けながら、処方ドラッグの乱用で自らの命を縮めてしまった。彼の周囲に、大佐に対抗できるような人材がいれば…、とも思ったが、これだけのスーパースターなら、どう転んでも不可避な結末だったのかも知れない。
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エルヴィス役のオースティン・バトラーは歌もステージアクションも素晴らしかった。この手の映画に出てくる役者さんはどなたも歌が上手いねえ。トム・パーカーを演じたトム・ハンクスの陰影のある演技も良かった。そして、これまでやや敬して遠ざけていた感のあったエルヴィスを、またじっくり聴いてみようと思いながら映画館を後にした。
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ELVIS - Original Motion Picture Soundtrack
https://www.youtube.com/watch?v=FymNn1HYKAc


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