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On The Sunny Side Of The Street [私の好きな20世紀の唄たち] vol.81 [20世紀の歌Ⅱ]

On The Sunny Side Of The Street (1930)
written by Dorothy Fields & Jimmy McHugh
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1930年に作られたこの曲は、ジャズのスタンダードとして受け入れられているが、元々はブロードウェイのミュージカルの劇中歌だったようである。ジャズでは初めは歌無しの器楽演奏が主流だったようだが、その後サッチモことルイ・アームストロングをはじめ多くのシンガーたちに歌われるようになったという。ジャズ門外漢の私でも以前からよく耳にしていて知っていたほどの名曲である。

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私がレコードを買って聴いたはじめは、Willie Nelson が1978年に出したスタンダード・アルバム "Stardust" によってである。その後2・3年毎に出された続編のアルバムは大体聴いていた。カントリー畑のミュージシャンによるスタンダード曲というのがなじみやすかったのだろう。一方、私のアイドルである Linda Ronstadt が84年に出したスタンダード集 "What's New" や "Lush Life" も聴いたが、あまりなじめなかったのは、オーケストラの編曲になるものだったためのような気がする。好みというのは実に微妙なものだ。

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もう一つ、1999年に出された小野リサの "DREAM" というアルバムにもこの曲が入っていたのだった。ボサノバにアレンジされたこの曲を聴いた時は、軽い衝撃を受けた、というのはやや大げさ?ポルトガル語で歌われた歌詞の、「サニーサイド・オブ・ザ・ストリーチ」の語尾がいまだに頭から離れずにいる(笑)。その後、2006年の "Jambalaya - Bossa Americana-" など異ジャンルに挑むものを割と好んでいたのかも。

やはり極めつけは、この半年の間毎朝のようにこの曲がTVで流れていたことだろうか。この曲をテーマにした映画であっても、この国に暮らす多くの人にこれほどのインパクトは与えなかっただろうと思われた。少なくともこの曲の入ったアルバムの売り上げには相当貢献しただろうと想像される(笑)。戦中から戦後にかけてこの曲が日本でも受容されていたという設定はさほど無理はないと思うけど、親子三代にわたって、この曲が彼女たちの精神的支柱であり続けたというのは、フィクションならではというところか。劇中で世良公則が歌っていたものは、さすが元プロ(今でもプロか)と思わせる歌唱だった。
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"sunny side" という語は私たちがよく演奏している曲の中にも散見される。人生の明るい側面を見て生きようという姿勢は、アメリカンでおおらかな感じを受ける。拝金主義に抗する生き方が、少なくとも歌の中には在った時代だったと思ったことだ。日本の演歌にも「襤褸は着てても心は錦~」のような歌詞があるが、こちらはやや歯を食いしばって頑張る、という姿勢に見えるのは、やはり国民性の違いなんだろうか。

youtubeは記事で取り上げたものを。他にもたくさんあるけどね。
Louis Armstrong - On The Sunny Side Of The Street (1956)
https://www.youtube.com/watch?v=wQnBvO2qla0
Willie Nelson - On the Sunny Side of the Street
https://www.youtube.com/watch?v=m6DJdiPQmGc
On The Sunny Side Of The Street - Lisa Ono
https://www.youtube.com/watch?v=38-g4vn7NyI
On The Sunny Side Of The Street (English Version)
https://www.youtube.com/watch?v=c_4XHMNZQp4
[カムカムエヴリバディ] 世良公則「On the Sunny Side of the Street」
https://www.youtube.com/watch?v=ot_Xxa5lhUk

明るい表通りで (大意。原詩は検索してみてください。)

コートをつかみ 帽子をかぶって
嫌なことは玄関に置いて外に出よう
人生はきっと素敵なものなんだよ
明るい表通りを歩けば

カタカタっていう音が聞こえないかい?
君のステップが奏でる楽し気な音が
人生はこれで完璧さ
明るい表通りを歩けば

以前はよく日陰の通りを歩いていたものさ
嫌なことをみんな心に溜めながら
でももう恐れることはしない
彷徨っていた自分は生まれ変わったのさ

1セントも持っていなくても
気分はロックフェラーに負けないほど豊かなのさ
足元の砂埃が金色に輝いているから
明るい表通りを歩けばね


Classic Louis Armstrong


Stardust


DREAM


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