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『伊能忠敬』展@神戸市立博物館 [展覧会]

『伊能忠敬』展@神戸市立博物館
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神戸市立博物館で『伊能忠敬』展をやっているというので行ってきた。正式には『伊能図上呈200年記念特別展 伊能忠敬』というそうで、文政4年(1821)7月10日に忠敬の孫の忠誨(ただのり)によって、「大日本沿海輿地(よち)全図」として 幕府に上呈されてから200年ということを記念して、というものらしい。この日も暑かったが、博物館から南に5分の京橋のあたりにあるタイムズに車を停めたのでさほど歩かずに済んだ。
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阪神高速の京橋ICのあたりはあまり来たことがなかったが、高速の下に実際「京橋」があったのでびっくり。東京の「日本橋」が高速の下に隠れてしまっているのと似ているなあと思ったことだよ。
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神戸市立博物館は前に一度来たことがあると思うのだが、何を観たのかはすっかり記憶から消えている。建物は桜井小太郎の設計で昭和10年(1935)竣工の、旧横浜正金銀行神戸支店ビルを転用したもので、重厚でクラシックな建物であった。
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平日のせいかコロナ禍のせいか人は少なく、1階のホールはがらんとしていた。ちなみに1階は無料で入場できるということである。ちらっと見たものを少しあげておく。
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特別展は2・3階ということで上がってみた。ここからは撮影禁止ということで本稿にあげている写真のいくつかはwebからいただいたものである。
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忠敬らによる測量事業は寛政12年(1800)からあしかけ17年を要した大事業であるが、「大日本沿海輿地全図」は幕府に上呈された後江戸城内に保管されていたものの、明治6年(1873)の皇居火災によって灰燼に帰し、東京帝国大学に保管されていた同図の控えも、大正12年(1923)の関東大震災で焼失したとされている。今回展示されているものは、大名家の手許に遺されていたものを集めているのだという。私たちが教科書などで見ている伊能図もそうしたものなのだと知って驚いた。よくぞ残っていたものだ。
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1日におよそ40kmを移動したと言われる歩測による記録や、それが地図になっていく過程も垣間見ることが出来た。和紙を張り合わせて大きな用紙にしているところなど、当時の作業の様子が生々しく伝わってきた。
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上総国山辺郡小関村の名主の家に生まれた忠敬が、50歳で隠居してから江戸に出て、天文暦学の修行を始め、55歳から過酷な測量事業に邁進したことは驚きであり、同じ年齢にならんとしている身も励まされる思いになった。かつて土木工学科を挫折リタイアした身としては忸怩たるものもあるが。また、以前読んだ小説「天地明察」で描かれた天文暦学者の渋川春海が活躍していたのは100年前のことで、鎖国の中にあった江戸期の日本が、決して同時代の欧米社会に後れを取っていたわけではなかったことを感じさせてくれたのだった。
記念に買った三角スケール。
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伊能図をもとに作成された日本地図。
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少し調べているとこんな面白いサイトもあった。
北関東3県は「宇都宮県」に 幻の28道府県案
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO91885620Y5A910C1000000/
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帰りに夕方の住吉川を歩測?したのは言うまでもない(笑)。
川で見たセイヨウニンジンボク(西洋人参木)。
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