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映画『永遠のジャンゴ』@神戸シネリーブル [映画]

映画『永遠のジャンゴ』
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Django Reinhardt
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ジャンゴ・ラインハルトの伝記映画『永遠のジャンゴ』が公開されるというのをFBで知ったので神戸初日のこの日行ってみた。前回同じ映画館で観た時ハプニングから招待券を頂いたので、今回は無料。3時からのにしようかなと思っていたが、12時50分の上映に間に合った。会場は4階にあるアネックス・ホール(505席)で初めて入ったが、演奏会もできそうなホールだった。この映画に力が入ってるなあと思ったが、入りはそれほどでもなかった。おかげで初日限定の先着順のプレゼント(特製ピック)もゲットしたけど(笑)。いい映画だったので是非ともヒットして欲しいものだ。
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ジャンゴ・ラインハルトはジプシー・ジャズギターの先駆者で、いくつかのアルバムは聴いていたが、第二次大戦中ナチスドイツに迫害され、スイスに逃亡していた時期があったとは知らなかった。この映画がどれだけ史実に忠実なものなのかは今の時点では定かではない。彼らはロマと呼ばれるジプシー出身でユダヤ人ではないが、ナチスドイツが彼らも弾圧したであろうことは容易に推察できる。ともあれ、当時のパリの政治的状況と、ジャンゴの音楽的姿勢は十分伝わってきた。またおいおい調べてみようと思う。
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舞台は1943年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。ジャンゴは、パリでもっとも華やかなミュージックホール「フォリー・ベルジェール」に出演、その華麗なパフォーマンスで満員の観客を沸かせていた。バイオリニストのステファン・グラッペリと「フランス・ホットクラブ五重奏団」を結成したのは1934年らしいので、この場面でのバイオリニストはグラッペリだったのかもしれない(そういえば彼らと同じ編成で一世を風靡した日本のバンド "Tokyo Hot Club Band" があったなあ)。そんな中、彼の才能に惚れ込んだナチス官僚がドイツでの公演話を持ちかけてくる。政治的な圧力による演奏などしたくないと思うジャンゴは「俺たちジプシーは戦争などしない。俺はミュージシャンで演奏するだけだ」と拒否しようとするが…。
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内容もさることながら、音楽が予想以上に良かった。ジャンゴ役のレダ・カティブはギター未経験ながら本作出演にあたり特訓したということだが、実際演奏しているのはローゼンバーグ・トリオで、劇中の楽曲すべてのレコーディングを担当したらしい。寡聞にして存じ上げなかったが、ストーケロ・ローゼンバーグは現在のマヌーシュ・スウィングの最高峰ギタリストと言われているらしい。どの楽曲も良かったが、特に劇中で教会のパイプオルガンを前に着想したとされる "Manoir de Mes Rêves" (迫害を受けたジプシーたちへのレクイエムとして戦後すぐパリで交響曲で演奏されたという設定)は、原曲の楽譜が一部しか残っていないのを、今回彼らのイマジネーションで欠けたピースを補い再現?しているとのことで、それだけでもサントラを買う価値があるかも。
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ジャンゴは1928年(10代の終り)に火事を消そうとして、半身に大やけどを負い、その結果、彼の右足は麻痺し、左手の薬指と小指には障害が残ったそうである。ギターの演奏は二度と無理だと思うほどの怪我であったが、ジャンゴは練習によって独自の奏法を確立し、ハンディキャップを克服したという。どんな天才もこのような努力があってこそ開花するのだなあ、ということを今回も感じた映画であったことだ。

サントラではないが "The Rosenberg Trio" の "Minor Swing" をyoutubeで
The Rosenberg Trio - Minor Swing/D. Reinhardt - S. Grapelli/
https://www.youtube.com/watch?v=dGp2tjSbLcA

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