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『ベルギー奇想の系譜展』@兵庫県立美術館 [展覧会]

『ベルギー奇想の系譜展』
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「怖いの?楽しいの?不思議なの?」のキャッチフレーズでwebを賑わしていたので興味は持っていた。あと一週間と知って土曜日の午後観に行って来た。平日に行けば良かったが、あれこれ些事があったので。土曜日は8時まで延長しているせいか、お客さんも多かった。
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ベルギーという国はビールで有名としか知らなかったが、今回少し調べてオランダ王国が二分して出来た国だということぐらいは分かった。このあたりの歴史はハプスブルグ家がどうのこうので、いろいろ変遷しているので高校の世界史のかすかな知識では把握できないなあ。オランダがプロテスタントの国でキリシタン弾圧後も日本と通商できたというのは、少し前に読んだキリシタン弾圧の歴史を書いた本で知ったが、ベルギーはカトリックの国だったんだと知った。
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中世末期に現れたヒエロニムス・ボスの描く悪魔や怪物のような「幻想絵画」「奇想画」の系譜が近現代の「象徴主義」「シュルレアリスム」に連綿と繋がっている様をたどることが出来た。ただ絵によっては非常に小さくて細かく、顔を近づけたら係員から「帽子は後ろ向きに、顔を近づけすぎないように」と注意された。地獄図などの小さな絵はどこに飾られているんだろうと不思議だった。もしリビングや寝室に飾られているのだったら、食事も喉を通らないだろうし、悪夢にうなされて眠れないのではないか、と思ったことだよ。
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カトリックでは「七つの大罪」というものがあり、それは「暴食」「色欲」「強欲」「憤怒」「怠惰」「傲慢」「嫉妬」というそうだ。それぞれのテーマに沿った絵もあったが、なにか仏教の地獄図と通底するところがあるように思われた。それはイスラムでも同じなんだろうな、と思った。人間の生き方にはそれほど大きな差があるようにも思われないから。それなのに、少しの違いが重大な違いのように解釈されて、宗教戦争のようなものが未だに続いているのは哀しいことだな、とも思ったことだ。
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というわけで、門外漢が観てもあまり理解できなかったかもしれない展覧会であったが、絵そのものからは少しはずれた「人間の営み」について考えさせられるところの多い展覧会であった。今週末で終わるようだが、7月15日から東京のBunkamura ザ・ミュージアムで開催されるらしいので、興味のある方は、東京に行かれたついでに観るのもよいかも知れない(笑)。
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