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RAMBLIN' ROUND[私の好きな20世紀の唄たち]vol.36 [20世紀の歌Ⅱ]

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RAMBLIN' ROUND
  written by Woody Guthrie

私がウディ・ガスリーを知ったのは、ご多聞にもれず「我が祖国(This Land Is Your Land)」の作者としてであった。「フォークの父」と呼ばれ、生涯に1000曲以上の曲を作り、フォークシーンだけでなくブルーグラスやカントリーの多くのミュージシャンによってカバーされているのだが、いまだに彼の偉大さはよく判っていないような気がする。単に勉強不足なだけかもしれないが。かのボブ・ディランが最も敬愛したフォーキーだということもよく知られている(彼は " SONG FOR WOODY " という曲までつくっている)。

彼は'12年にオクラホマ州のオマケーで生まれ、'31~'39年にオクラホマ一帯で起こった「大砂嵐(Dust Bowl)」を受け、カリフォルニアに移動した多くの季節労働者( Okie と呼ばれた。そういえばマールハガードの歌に Okie~という歌があったな…。) と共に妻子をおいて行ったらしい。このときの体験が、彼のその後の思想や政治観に大きく影響を与えたであろうことは想像に難くない。上記の曲もその時の体験を元に創られた「ダストボールバラード」の一つなのであろう。
これは自伝映画の画像
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" RAMBLIN' ROUND " は都会派フォーク系ブルーグラス・バンド? " Green Brier Boys " のアルバムで初めて聴いたが、リンダ・ロンシュタットやディランなど多くのミュージシャンによってカバーされている。メロディは " Goodnight, Irene " から採ったもののようだ(自分のライブでは一緒くたに歌っているww)。カリフォルニアに行けば素晴らしい生活が待っていると思って行ったら、低賃金で酷使される生活が待っているだけだった、というオーキー(hobo でもある)たちの悲しい暮らしぶりが語られている。歌の中に " refugee " という語が出てくるが、今でいうなら「難民」ということだろう。また、いつの時代どこの国でもそうなんだなあと思うのだが、親の期待に応えたいという気持ちと、反発する気持ち、応えられなかったなあ、という屈折した感情が窺えて、二人の父(実父と義父)を喪った今、はげしく共感してしまう。
※この記事は2014.12.18にアップしたものの再掲である。

youtubeは息子アーロのものなど4つあげておく。
Arlo Guthrie Ramblin' Round
https://www.youtube.com/watch?v=ZxQIgOSF9sw
Woody Guthrie- Ramblin' Round
https://www.youtube.com/watch?v=s15GSPGc7CM
Fan Made:Ramblin' 'Round - Linda Ronstadt
https://www.youtube.com/watch?v=A0-lehLc9M0
Ramblin' Round, Joe Henry & Kris Kristofferson -Woody Guthrie Tribute Concert-L.A.-4/14/12
https://www.youtube.com/watch?v=RV9iUKT1na8

Ramblin' Round (大意。原詩は検索してみてくださいね)


**
あちこちの町を巡り
あちこちの村を廻る
どこを巡っても
友に遭うこともなく
流れ流れている

桃の実は収穫のときを迎え
枝々はたわわに実をつけている
俺はたった1ドルのために
一日中それを摘み
また流れ流れていく

時に桃の実は腐って
地面に落ちていく
どんな桃の実でも
俺たちはそれで飢えを満たし
また流れ流れていく

親父は俺がひとかどの人間に
なることを望んでいた
なのに今俺はただの難民として
流れ歩いているだけなのさ





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