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映画『レジェンド&バタフライ』 [映画]

映画『レジェンド&バタフライ』
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3カ月も前から「東映70周年を記念して製作された歴史大作」と大々的にキャンペーンが張られていたので、観てみようと思った。11月に主演の木村拓哉と岐阜出身の伊藤英明が「ぎふ信長まつり」に出席した際46万人も集まったというキムタク人気とはいかなるものかという興味もあった。もちろん綾瀬はるかの濃姫を観たいというのもあったが(笑)。火曜日の朝9時に行ったが、終わったら12時半になっていた。
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3時間近い長い映画だったが、帰蝶の輿入れから本能寺の変までを描くのだから仕方がないともいえる。せめて大河の総集編ぐらいの長さは必要だろうから。信長についてはこれまで数多くの映画やドラマが作られているので、今更とも思ったが、わざわざ歴史大作とあるので何か新解釈があるのかな、と思っていたが、かなり強引な解釈で作られていた。もともと濃姫については、輿入れの時期以外はほとんど資料がないようなので、逆に自由な解釈が可能だったともいえるかな。
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森鴎外の『歴史其儘と歴史離れ』以来、歴史物語を史実に忠実に書こうとするものと、史実から離れて自由に空想を膨らませた作品に分かれるようだ。この映画はもちろん後者なので、歴史ファンタジーと割り切って観れば、そんなに悪い作品ではないとは思うが、大向こうの歴史ファンからは酷評されるだろうなとも思った。今年の大河『どうする家康』にどこかつくり方が似ているなと思ったら、同じ脚本家だったのには笑ってしまった。大河ドラマもこれからどんどん変わっていくのだろうか。
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本作での信長は、内心の弱さを尊大な態度で糊塗しているような青年として描かれている。そんな彼が敵対する美濃の姫君と政略結婚をする。互いに寝首を掻こうとするような関係だったが、隣国駿河から今川義元の大軍が攻め込んできて、絶望的な状況に方策が見つからないでいる信長の背中を押したのは、ほかならぬ濃姫であった。桶狭間で奇跡の勝利を得た後は美濃を攻略し、天下布武への道を歩んでいく。
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侵略や殺戮を繰り返す信長は、次第に人の心を失っていき、魔王と呼ばれるようになっていった…。人間信長として描こうとすると、史実と言われていることも若干変えて行かないといけなくなるのかな。その典型は明智光秀で、比叡山焼き討ちも、安土城での家康の饗応事件も、史実とは逆の描き方をしているように見えた。魔王だった信長が人間らしい心を取り戻した時、見限った光秀が本能寺の変を起こしたという展開にしたかったのかな。
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キムタク演じる信長は、信長である前にキムタクだなあと思ってしまう。大河で演じている岡田准一の方が役への入り込み方がすごいなと思うのは私だけだろうか。ともあれ、信長と濃姫が敵対感情から始まりながら、次第に支えあう夫婦になっていくという歴史ファンタジーと割り切れば面白い映画だと言えるだろう。


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