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節分と恵方巻 [日々の雑感]

我が家のささやかな恵方巻。豆・鰯・蜆もあるけど。
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今年の節分の恵方巻を食べる時の恵方は南南東だそうである。毎年節分になると「今年の恵方」が提示され、我々一般人はその説に従って恵方に向かって巻き寿司を丸かぶりしている。もともと関西の方にあった風習であるが、これが全国に広まったのはあるコンビニの戦略に発するとも言われている。
節分の朝の空。
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なぜ節分に恵方巻なのか、立春の前日以外にも三つの節分があるが、それはどうなのか、とぼんやり思っていたが、その時期が過ぎるといつの間にか忘れていたという具合であった。今年はコロナ禍のもとしばらく縮小していた中国の「春節」の大移動が復活しているというニュースを見て、旧正月と節分・立春との関係などについて改めて考えてみたのだった。暇人であるゆえかな。

中国・中華圏における2023年の春節は1月22日だそうである。その前日である1月21日から1月27日まで7連休になり、多くの人々が故郷への帰省や海外旅行などで大移動するのだ。その恩恵をインバウンドの受け入れで日本も受けるのだが、今回はゼロコロナをやめたせいで感染爆発した中国からの入国を厳しくしたので、その報復措置やなんやでややこしくなっていたようだが。
神戸南京町の春節祭(webより)。
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日本の暦の旧正月も今年は1月22日だそうで、たまたま中国のそれと一致したのかな?太陰暦による旧正月と太陽の運行に基づく二十四節気の立春(前日の節分)は一致するのが望ましいようだが、そんなことはめったにない。古今集の在原元方の歌に「年のうちに春は来にけりひととせを去年とやいはむ今年とやいはむ」があるが、これは(旧)正月になる前に立春になったことをうたったものである。今年はそうではないのでこの歌の意味もないのだけれどね。

恵方巻と似たものに「恵方詣り(えほうまいり)」があって、「1月1日(元日)にその年の恵方にある社寺に参拝してその年の幸福を祈願する」とある。両者は源を一つにするのではないかと調べてみると、今年の恵方参りの恵方はやはり南南東であった。その年の福徳を司る神様「歳徳神」がおられる方角のことでその年の恵方は干支の十干によって決まるらしい。詳しい説明は省くが、図もあったのであげておく。
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恵方参りがなぜ流行らないかというと、それが日本ではすたれてしまった旧正月だということと、どの寺社にとってもメリットがないからかと思われる。今年はうちの寺社が恵方だとは言えないからね。いずれにしても恵方に向かって何かすることに意味があるのであって、巻き寿司の丸かぶりに限定することはないのであった。
立春の日の月は小望月。
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平安時代には陰陽道に基づいた「方違え(かたたがえ)」という風習があって、その日行く方角が忌むべき方角(「塞がり(ふたがり)」)だった場合、一旦別の方角に行って滞在し、改めて目的の場所に行ったりした。面倒くさいが、平安貴族はある意味暇人だったのかもしれない(笑)。『源氏物語』で方違えに行った源氏がその屋敷で美しい女性(空蝉だったかな)に出逢い…、というくだりがあった記憶があるが、そういう出逢いはまんざら悪くはないなあ、とも思ったことだよ(笑)。
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長々と駄文を連ねてきたが、恵方巻は楽しい風習の一つではあるが、フードロスを出してまでやらなくてもよいという結論になったのかな。我が家の恵方巻も今年はハーフサイズを一個ずつ食べて終了と相なったのあった。
スーパーでもハーフが多かった。努力の跡あり?
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春近し、いや、もう春たちぬ?どっちやねん。

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