SSブログ

プー横丁の家(House at Pooh Corner) [私の好きな20世紀の唄たち] vol.66 [20世紀の歌Ⅱ]

プー横丁の家(House at Pooh Corner) [私の好きな20世紀の唄たち] vol.66
003.jpg
House at Pooh Corner
written by Kenny Loggins

この歌を初めて聴いたのはニッティ・グリッティ・ダート・バンド(NGDB)の70年のアルバム「アンクル・チャーリーと愛犬テディ」によってであった。実際にこのアルバムを買ったのは73年ぐらいだっただろうか。このアルバムには前にも取り上げた "Mr. Bojangles" など名曲ぞろいだったので、その中の一曲として、いい曲だなぐらいに受け止めていた。ロギンス&メッシーナのケニー・ロギンスの作だと知ったのはもっと後だったと思う。実際 L&M がアルバムデビューしたのはその後だったようだから、NGDB に曲を提供したのがデビューのきっかけになったのかもしれない。
001.jpg
"Pooh" がクマのプーさんのことだというのは恥ずかしながら当時は知らなかった。当時の日本版のLPの邦題は「貧乏横丁の家」となっていたらしく、私もそれを見ていたのだろう。訳者が "poor" と思い違いをしていたからだろうが、70年代の洋楽受容が錯綜に満ちたものだったということの一例ともいえる(笑)。脱線ついでに言うと、当時グータラな学生生活を長く送り、仕事にも就かないでいる自分たちのことを「プー」(プータロウの略)と呼んでいたりしたから(「関々同プー」というバンドもあったなあ)、なおさら誤解に拍車がかかったのかもしれない。

また、当時京都に「プー横丁」というレコード店が出来ていて、ルーツ・ミュージック系のレコードを取り扱っていたらしいことも、「プー横丁」という言葉が歌から離れて自分の若かりし時代を象徴するもののような気分を醸成した一因になったかもしれない。このお店の名前もNGDBの歌からインスパイアされたと改めて調べて分かった。
002.jpg
さてやっと歌の内容に入るが、この歌はA.A.ミルンが息子のクリストファー・ロビンのことを題材に書いた童話『プー横町にたった家』にインスパイアされてケニーが高校生の頃に作った歌なのだそうで、優れたミュージシャンというものは若くして才を発揮するものだなあということの一例である。クリストファー・ロビンが、森の中でくまのプーと過ごした日々を大人になっても忘れずにいよう、というような内容である。

ケニー・ロギンスは80年代になって「フット・ルース」などによって大ブレークするが、ロギンス&メッシーナ時代も味があってなかなかいい。アン・マレーなども彼の歌をいくつか取り上げ、ヒットさせている。また、94年には自分の子供たちのために "Return to Pooh Corner" というアルバムも作っている。彼の音楽人生の中で、この「プー横丁の家」の歌が常に心のどこかで鳴り響いていたのかもしれない。

youtubeは以下のものを
House at Pooh Corner - Loggins & Messina
https://www.youtube.com/watch?v=5G5x3fpfpFI

House at Pooh Corner - The Nitty Gritty Dirt Band
https://www.youtube.com/watch?v=38Lob87t-V8

Kenny Loggins House At Pooh Corner Live at Saban Beverly Hills
https://www.youtube.com/watch?v=0WU1GieZ3MU


プー横丁の家(大意。原詩は検索してみてください。)

クリストファー・ロビンと僕は
月の輝く夜の林の中を歩いていた
オウルとイーヨーにいろいろな事を尋ねながら
僕らが過ごした楽しい日々はあっという間に過ぎて
この夜は思った以上に遠くまでさまよい出てしまった
3エーカーの森へ帰る道が分からなくなってしまったんだ

**
だから分かるなら教えてほしい
プー横丁の家に帰る道を
1時までには帰らなくちゃいけないんだ
やらなくちゃいけないことがたくさん
巣にいるミツバチの数を全部数えたり
お空に浮かぶ雲を追いかけてみたり
クリストファー・ロビンとプーが過ごした日々に立ち返って

くまのプーはすっかりあわててしまった
ハチミツの壺が鼻に張り付いちゃって
僕のところにどうしたらいいのと訊きに来たんだ
でも彼がどこに行って訊けばいいのか誰も分からなくて
だからもしフクロウのオウルがいたら
鼻からミツバチの壺を剥がす方法を訊こうと思って

**

クリストファー・ロビンとプーが過ごした日々に立ち帰って
クリストファー・ロビンと過ごしたやり方に帰って…
くまのプーとの日々に帰って…


シッティン・イン


Return to Pooh Corner


アンクル・チャーリーと愛犬テディ


nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。