SSブログ

0710 豪雨の後の「住吉川」 [日々の散策]

0710やっと雨も上がり、夏空になった。
001.jpg
今回の西日本の豪雨災害は実に甚大なもので、犠牲になられた方々には謹んでお悔やみ申し上げます。また被害を受けられた地域においては一日も早い復旧がなされるよう願ってやみません。

今回の豪雨は、風もなく雨がひたすら続くというもので、途中まではこんなに被害が大きくなるとは正直思っていなかった。被害が大きくなることが予想される中、宴会をしてTwitter に上げていた政府首脳の体たらくは論外であるが、被害に遭われた地域の方のコメントにも「まさか自宅が浸水することになるとは」という意見が少なからず出されていた。岡山あたりも前年の広島の災害を知っているなら、もう少し備えの気持ち、危機感があってもいいのではないか、と後になって思うが、そうはならなかったりするのが現状である。

考えたら、自分が罹災した阪神淡路大震災の時も「まさか自分の住んでいるところが」と思ったし、その後の東北・熊本の地震や広島の水害など、いつも起こった後で「こうするべきだった」ということになるのはなぜなんだろう。いつまでも「想定外だった」ということで済ましていてはいけないのだろうと思う。今回の豪雨では「避難指示」の重大さが浸透していなかったという意見も聞く。指示の徹底は今後の課題であることは言うまでもないが、我々の心のどこかに「自分(たち)だけは大丈夫(かも)」という変な楽観意識が潜んでいることも事実のように思われる。最低限自分の住んでいる地域が地震や津波や洪水に見舞われたら、という目を日々持ち続けることは必要なのではないだろうか。

先日、豪雨の中見に行った住吉川には、その後何度か様子を見に行った。もちろん近くの芦屋川も含めて。住吉川は、六甲山からの急な水の流れゆえ、多くの土砂が下流に流され、天井川になっている。雨が降ると急に水かさが増えるが、引くのも早い。だから危険だともいえる。今回は夜のうちから降ったので、鉄砲水で遊歩道を歩いている人が被害を受けることはなかったようだが、そうでなかったら都賀川の被害のようなことが起こっても不思議はないように思った。

1938年の阪神大水害を受けて、堤防などの強化が図られてきたのだろうが、市街地を流れる川なので、現状を維持しながらの河川改修は難しかったんだろうなと思われる。水の引き始めた川の様子を写真で示しながら、思いついたことを書き留めてみる。
阪神大水害の頃の写真(ブログ「アリラン峠の石神」より引用)。
002.jpg
上の写真とほぼ同じ位置、白鶴美術館の辺りに大きな砂防ダムがある。上流には更にいくつかのダムがあるが、ここが一番下のダムである。
003.jpg
今回は土石流のような事態にはならなかったようだが、ダムの上はさほど余裕があるようには見えなかった。今後底を浚ったりする必要があるのかな。
004.jpg
ここから河口に向けて両岸に延びる遊歩道(清流の道)は、1960年代、渦森山を切り開いて渦森台団地を造成する際、川の両岸の河川敷の部分に専用道路を建設し、土砂を運搬した(通称「ダンプ道路」)が元になっているようでる。
005.jpg 006.jpg007.jpg
R2の少し上のところで川はかなり様相を変えている。
008.jpg
009.jpg
ここは明治初期に下をJR(昔の省線)の線路が通された個所だ(これは芦屋川も同じ)。そのためか川筋は細くなり、勾配も急になっている。
010.jpg 011.jpg
R2から見上げたところ。
012.jpg
一方、その下の国道2号線は、川の東西のの勾配を可能な限り小さくするべく、川底を底浚いした。そのため河床が段々化されていて現在の形状になっているのだと知った。今回の豪雨で神戸も総雨量が500mm近くになったようだが、これが1000mmを超えていたらどうなっていたか分からなかったと思われた。
013.jpg
ここは最後まで遊歩道に水が溢れており、上から流された岩や剥がれたアスファルト・コンクリートの破片が散らばっていた。
014.jpg
015.jpg
ここから下はそれほどの損傷もなく、清らかな流れが戻りつつある。草木も豪雨以前の状態に戻りつつあるように見えて、自然の復元力(復原力?)には驚くばかりである。但し、限界を超えた災害の場合はその限りではないが。
016.jpg
心なしか川底がきれいになったような。
017.jpg
時々夕方に見かけていた、ウクレレのおっちゃんも復活。
018.jpg
019.jpg020.jpg
021.jpg
カラスウリがもうけなげに咲いていた。
022.jpg023.jpg024.jpg
夏の空復活。
025.jpg
今回の住吉川の場合、なんとか大きな被害は免れたが、土砂や流木などにせき止められて、水が川から溢れる事態も十分考えられたようにも思う。その際は天井川であるため東西の家屋に被害が及ぶことは十分考えられる。日ごろからハザードマップなどを確認しておくことは住民が最低限やっておくべきことなのだろうと思ったことだ。

<参考>
東灘区の洪水ハザードマップ

テレビ朝日「ドラえもん基金」

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:地域

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。