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1.17 震災22年 「大輪田橋」@兵庫運河 [日々の散策]

「大輪田橋」。
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今年も1.17が巡ってきた。もう22年になるのか。自分の中でも風化させてはいけないと思いつつも、どんどん生活の垢のようなものが降り積もってきて、埋没してしまいそうになる。珍しく早朝に目覚めたのでTVの前で黙祷をした。少し前に「未来へ~震災の記憶」というミニ番組の一つで、「人々を渡し続ける橋『大輪田橋』」というのがあり、大正期に造られた近代建築の橋「大輪田橋」が震災に堪えて今も人々を渡し続けているということだった。これまで立ち寄ったことのない地区だったので、この機会に見てみようと思った。

震災の直後は、日々生きることに精一杯で、三宮以西にはほとんど目が行かなかった気がする。生活物資を入手したり、職場へのルートを確保したり(芦屋から西宮に抜けるのは「酒蔵通り」ぐらいしかなかったなあ)、熱帯魚用のヒーターを手に入れて、何時間もかけて風呂を沸かしたり、六甲山越えのルートで遠くまで風呂に入りに行ったり…。長田のあたりの惨状もニュースなどで知るだけだった。
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さて、「大輪田橋」があるのは兵庫区の和田岬周辺に廻っている兵庫運河の河口近くである。何年か前にドラマ『平清盛』を観た関連で福原遷都の址を少し廻ったぐらいであった。R2を西へ進み和田岬方面との分岐を直進する。立て替えられて新しくなった神戸市中央卸売市場(西部市場)の前を通り、右折すると目指す橋はあった。
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兵庫運河は東側の新川運河、中央の兵庫運河、南西部の苅藻運河の3つの運河から成る日本最大の運河と言われている。大輪田橋はこの新川運河の中央を跨ぐコンクリート造の3連アーチ橋として大正13年に竣工したそうである。

戦災と震災に堪えて残っている橋だが、欄干の四隅にあった飾り柱のうち三つは震災で折れ、崩壊した。
残った飾り柱。
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折れた飾り柱は廃棄されそうになったが、地元の方々の要望もあって、モニュメントとして傍に置かれていた。
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残された飾り柱の上部にカタツムリのオブジェがとまっていたので、写真に撮り、帰って調べてみた。
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平成10年に「大輪田橋戦災・震災モニュメント」として設置された(小林陸一郎氏製作)らしいが、なぜカタツムリなのかははっきり分からなかった。震災後の復興が遅々とした歩みであっても、確実に前に進んでいくようにという願いが込められているのかな、と勝手に思うことにしている。
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橋から北に向かって運河沿いに「キャナルプロムナード」という散策路がつくられていたので歩いてみた。
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平成5年竣工とあるので震災前に出来たもののようだ。震災で損壊して再整備されたのかな。近所のおばあちゃんがカメラを持ってユリカモメを撮っていたので、話を聞くと、「飛ぶところを撮りたいんやけど、餌をやっていると撮れないし」と究極の選択を迫られているという。
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でも、おかげでカモメの飛んでいる写真をいくつか撮ることができた(笑)。おばあちゃん、有難う。
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兵庫城址。
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このあたりは神社仏閣も多い。いくつか廻ってみた。
住吉神社横の「清盛塚」。
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時宗のお寺「真光寺」を拝観していると、ちょうど十二時前だったので、お寺の方に声を掛けられて「阪神・淡路大震災鎮魂の鐘」を一緒に撞くことになった。1.17の行事として恒例になっているようだが、さほど人は集まっていず、震災体験の風化を少し感じたが、このような機会を与えていただいて、鐘を撞いて思いを新たにすることができた。
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一遍上人の廟所もあった。
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帰りに卸売市場に立ち寄り、昼食を摂った。真新しい建物で気持ちが良かったが、昔の市場の食堂とはだいぶ変わっているんだろうな、とも思ったことだよ。
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