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MR. BOJANGLES [私の好きな20世紀の唄たち]vol.4 [20世紀の歌]

MR. BOJANGLES(ミスター・ボージャングル)
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僕自身はこの曲をNITTY GRITTY DIRT BANDの歌として聞いたが,作者はJERRY JEFF WALKERというニュー・カントリーの若者で60年代の終わりの作。ニューオリンズの刑務所で出会った一人の老いぼれたタップ・ダンサーの物語である。一杯の酒のために年老いて死ぬまで好きな踊りを続けるこの老ダンサーの物語は,既成の権威に反抗しながらポジティブな生き方のイメージをつかみかねていた当時の若者の心の奥底に,何かしら響くものがあったに違いない。ささやかでもいい,手ざわりのある生き方。地位や名声とは対極の価値観がこの歌の底には流れている。自分が本来求めていたものは何だったのかという問いかけを,人生に行き詰まった時に思い起こさせてくれる。この曲は後に世紀のエンターテイナー,サミー・デイビスJr.の十八番になるのだが,彼の中にも同じ思いがあったに違いない。そして僕はまだ学生で,大学を続けようか迷っていたころ,阪急六甲の近くの,きたない「カウボーイ」という店で下手くそなヨーデルを歌っていたおっちゃんのことを思い出す。(初出 01.01.09)

youtube のリンクはニッティの熊本阿蘇での演奏
http://www.youtube.com/watch?v=j3YMyW0SqmU

ミスター・ボージャングル(大意。原詩は検索してみてください。)

僕はボージャングルという名の男を知っている
彼はいつもすりきれた靴で踊っていた
白髪頭に破れたシャツ,バギー・パンツと
古いソフトシューズを履いて
彼はとても高くジャンプして軽やかに着地するんだ

僕が彼とはじめて出会ったのは
ニューオリンズの刑務所の中で
その時僕はひどく落ち込んでいたんだ
彼はそんな僕を煙草をふかしながら
優しい遠い眼差しをして
人生について語りはじめた
そしてふっと笑って靴のかかとをカチっと鳴らした

彼はボージャングルと名乗って
房内をまわって軽く踊った
ズボンをたくし上げスタンスをきめて
高くジャンプし,靴のかかとをカチっと鳴らし
ふっと笑って,乱れた衣服を直した

「ボージャングル,ボージャングル,踊ってよ」

彼は田舎廻りのミンストレル・ショーに入って
南部中を踊ってまわっていたんだ
涙をながしながら彼と愛犬がさまよい歩いた
15年間を語ってくれた
その愛犬の突然の死のことを
20年経った今でも彼は嘆き悲しんでいる

今でも彼は機会がある度に安酒場で踊っている
一杯の酒とチップのために
僕はカントリー・バーに入り浸って
一杯やるためにずっと過ごすんだが
彼は頭を振って,彼がそうしていると
誰かが彼にねだるんだ
「ねえ…」「ねえ,ボージャングル,踊ってよ」



Jerry Jeff Walker Plus


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