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Today [私の好きな20世紀の唄たち] vol.62 [20世紀の歌Ⅱ]

Today
written by Randy Sparks

Randy Sparks
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私がこの曲を知ったのは、ジョン・デンバー の75年のライブ・アルバム "An Evening with John Denver" であった。当時人気絶頂だったジョンの油の乗り切った演奏の中でしっとりと歌われていた。オリジナルは60年代に一世を風靡したフォークグループ "The New Christy Minstrels" の64年のアルバムだったようだ("Green Green" が大ヒットした)。このグループは常時10人ぐらいの編成で現在まで続いているらしく、ジョンも在籍したことがあったのかなと思っていたが、違っていた(ジョンのいたのは "The Chad Mitchell Trio" )。
John Denver with The Mitchell Trio
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余談になるが、ニュー・クリスティー・ミンストレルズは結成以来のメンバーが通算300人以上になっていて、その中には Kenny Rogers, Kim Carnes, Gene Clark, Jim McGuinn (later known as Roger) など名だたるミュージシャンがいて驚いた。メジャーに上がる登竜門的なバンドだったんだろうか。そのリーダーが今回の曲の作者であるランディ・スパークスである。
The New Christy Minstrels
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物語の主人公は放浪する詩人(作者自身か)であり、恋人と過ごしている現在(いま)だけが最上のものであり、過去の栄光も未来のことも意味がないと歌っている。官能的で刹那的な内容であるということもできる。同じような趣旨の歌に Kris Kristoffersonの70年作の "Help Me Make It Through the Night" があるが、既成の価値観に対するアンチ・テーゼとして作られた歌だということもできるだろう。信じられるものはただ自分の手ざわりのある瞬間々々だけであるというように。

さて、当時反抗する世代だった若者達は、40年後の今どんな人生観を持って生きているのだろう。大人になるにつれて世知を身に付け、うまく立ち回る日々を送っているのだろうか。逆にいつまでたっても自分が自分が、という生き方しかできずにいるのだろうか。今さらこの歌の時代に立ち返ることはできないが、そんなことをつい考えてしまう歌でもあるなあ。
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youtube は上記の二人のものを。
Today-John Denver
https://www.youtube.com/watch?v=uBGjZAYcJqc
NEW CHRISTY MINSTRELS - Today (1964) HQ Stereo!
https://www.youtube.com/watch?v=3cELsUMcQdc

今日この日 (大意。原詩は検索してみて下さい。)

**
今日のこの日、まだ花が蔓から落ちてしまう前に
僕は君の果実を食べ味わい、君の甘美なワインを飲もう
幾千万の明日が過ぎ去って行こうとも
僕はこの日手にした至上の喜びを決して忘れない

僕は洒落者にもなろう、放浪者にもなろう
君は僕の事を僕の歌う歌で知るだろう
君の食卓で大いに宴を持ち、君の褥で眠る
どんな明日がやってくるかなんて誰が気にするものか

僕は昨日までの栄光に満足することなんてできないし
冬が去り春がやってくることを糧に生きていくこともできないさ
今日のこの一瞬だけが僕の時、現在だけが僕の物語
僕は笑い、泣き、そして歌うのさ


EXCITING NEW FOLK CHORUS IN PERSON


An Evening With John Denver


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