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Across The Great Divide [私の好きな20世紀の唄たち]vol.41 [20世紀の歌Ⅱ]

Across The Great Divide (大分水嶺を越えて)
written by Kate Wolf
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作者のケイト・ウルフは86年に白血病のため若くして亡くなった、フォーク系のSSWである。私が彼女のことを知ったのは98年に出されたトリビュート・アルバム " Treasures Left Behind: Remembering Kate Wolf " によってであった。一曲目の " GIVE YOURSELF TO LOVE " を当時大好きだった Kathy Mattea が歌っていたのが印象に残っている。
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標題の曲はこのアルバムには入ってなかったが、アルバムでも " Friend of Mine " を歌っていた Nancy Griffith が93年に出したカヴァー曲集 " Other Voices, Other Rooms " (これはカポーティの小説の題でもあるようだ)の一曲目にあるので知った。両者が結びついたのは実は最近のことであるww 本人の曲は " Close to You (1980) " に入っているのが初めである(現在発売されてない)。
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The Great Divide は別名 Continental Divide とも言って、北米大陸の分水嶺を指すことが多いようだ。ロッキー山脈を越えてカリフォルニアに出る、という感じで使われるのかな。07年にコロラドからロッキーを車で走ったことがあるが、偶然 " Continental Divide " の看板が出ている所に出くわした。その時は何か感慨深いものを感じたが、山脈は南北に連なっているので、きっと何箇所もあるんだろうな、と後で思った。
2007 USA trip のときの写真。
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西部開拓時代のロッキー越えの旅の辛さなども重ね合わせながら、今まで方向も定まらないままもがくように生きていた自分が、今「分水嶺」に立ち、新たな方向に確実に踏み出そうとする強い決意を表した歌なのかな、と思われる。この曲に限らず彼女の歌には生き方を真摯に模索しようとしているものが多い気がする。多くのミュージシャンたちに今でもリスペクトされている所以であろう。

youtubeはケイト自身のもの。
Kate Wolf - Across the Great Divide
https://www.youtube.com/watch?v=T2Kn3j7o2yY
ナンシーとエミルーのもの。
Nancy Griffith with Emmylou Harris - Across The Great Divide
https://www.youtube.com/watch?v=TyqgWYIVgQI

※ The Band にも同名の曲があるが別の曲である。

大分水嶺を越えて(大意。原詩は検索してみてください。)

私は夢の中をさまよいながら歩いてきた
羊の数を数える代わりにトラブルの数をを数えながら
時がどのように流れていくのか分からない
振り返った見たときそれらはただ過ぎ去っていった

埃にまみれた本や色あせた書類の
幾層もの思想を吟味してきたけど
そこに書いてあるのはは前から知っていたことや
遠い昔に起こった出来事だけだった

*
それは過去のものとして去り
今自分は大きな山の上に立っている
川が大きく流れを変えるところ
大きな分水嶺の上に

フクロウが啼いている声が聞こえた
夜のとばりが降りてくるような優しい声で
私に呼びかけてきたと思い、その声に応えてみた
けれども彼は境界の向こうへと去って行った

**
彼は時の向こうに去っていき
今自分は大きな山の上に立っている
川が大きく流れを変えるところ
大きな分水嶺の上に

私の見た至上の時は
夜が途切れて夜明けが姿を現した時だった
それは闇がすっかり消え去る時



Treasures Left Behind: Remembering Kate Wolf by Various Artists (1998-08-18) 【並行輸入品】


Other Voices Other Rooms


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