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Don't Know Why[私の好きな20世紀の唄たち]vol.52 [20世紀の歌Ⅱ]

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Don't Know Why
written by Jesse Harris
sung by Norah Jones

この歌は2002年に発表されたノラ・ジョーンズのアルバム "Come Away with Me" に収録されていた歌で、これでは「21世紀の歌」になってしまうが、ジェシー・ハリスが作ったのは98年らしいので、かろうじて「20世紀の歌」になっているといえるか(笑)。98年ごろからジェシーとノラは一緒にバンド活動をしていて、その頃からジェシーの楽曲を歌っていたようである。

アルバム "Come Away with Me"はその年のグラミー8部門を受賞し、全世界で1800万枚を売り上げたと言われている(累計で2300万枚とも)。ブルーノートというジャズのレーベルから出ているが、ジャズという枠に収まりきれない幅を当時感じさせた。その後 " The Little Willies " というカントリーバンドでアルバムを出したりして、それはそれで親しみ深かったのだが、やはりこのファーストアルバムを凌駕するものではなかったように思う。この秋に「ノラがジャズに帰って来た」という触れ込みのニュー・アルバム "Day Breaks" が出るので楽しみではある。

スモーキー・ヴォイスと言われる歌声も、ピアノプレイも唯一無二のような気がする。父親があの有名なシタール奏者ラヴィ・シャンカルということも彼女の音楽に何らかの影響を与えているのかなとも思うが、3歳のとき両親は離婚し、母親に育てられたようなので、直接の影響はないのかもしれない。
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ジェシーがこの歌を女性の視点で書いたのかどうかは定かではない。ジェシー自身も歌っているのでどちらもありなのかな、とも思う。歌詞は平易な言葉で綴られているが、よく分からない部分もある。「君」が行っている "the house of fun" は単なる遊興場なのか別の仲間たちと「楽しんでいる」のか。webで検索するとスロット・マシーンがたくさんヒットしたけど…。"bag of bones" というのは「やせこけて」と訳したが、心の痛みを引きずっていたから? 聴いていると "vagabond”(放浪者) にも聞こえて、こっちでもいいような気がしてくるし…。
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彼(彼女)のところに今駆けつけたら、壊れかけた関係は修復できるかもしれないのに、行かなかったのは「なぜだか分らない」とつぶやくところが、この歌の肝なのだろうが。何か切実な内容なのに、もう一つ乾いた目がそれを眺めている、というような感じである。これが21世紀の感性なのだろうか。でもずいぶん昔を振り返ってみると、自分たちの若い頃の恋愛体験の中にも同質のものがあったような気もする。モラトリアム世代だとも言われていたなあ。お仕着せの価値観は受け入れられないが、自分で方向性をはっきり見出すことも出来ず、状況に流されていく…。Life is like a Circle Game だね。

ノラのちょっと乾いた、あるいは湿ったスモーキー・ヴォイスそのものが、どんな切実な歌を歌ってもそれらを全てやさしくオブラートに包んでくれるのかもしれない。
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youtubeはノラ・ジェシーそして原田知世のものを
ノラ・ジョーンズ「ドント・ノー・ホワイ」
https://www.youtube.com/watch?v=SrhJN1e8OHs
Don't Know Why (Jesse Harris - Solo)
https://www.youtube.com/watch?v=eiRN-d-LAaQ
原田知世 - ドント・ノー・ホワイ feat. ジェシー・ハリス
https://www.youtube.com/watch?v=3pxFNTZs9f4
ニュー・アルバムに入っているCarry Onを
https://www.youtube.com/watch?v=DqA25Ug71Mc

youtubeを観ると実に様々なミュージシャンとデュエット(セッション)していて驚くが、何を歌ってもノラの歌になってしまうところがやはりすごいなと思ったことだよ。
Norah Jones Best Duets
https://www.youtube.com/watch?v=Zo0kx_Rh24M&list=PL_wvx_-XWq-W_iDpHcqPl513rZ7skHDG0

なぜだか分らない

夜が明けるまでずっと待っていた
どうして行かなかったのだろう
君が遊興の場にいりびったっているのに
どうして放っておいてしまったのだろう

夜明けの光が射したとき
どこかへ飛んでいってしまいたいと思った
ずっと砂浜にひざまずいて
涙を手で受け止めるのをやめて

心はワインをしこたま浴びているのに
君の事がいつまでも頭から離れないでいる 

果てしなく広がる海原に出ていって
恍惚のうちに死んでしまいたい
でも実際は骨のようにやせこけて
独りぼっちで歩き続けるのだろう

心はワインをしこたま浴びているのに
君の事がが頭から離れない いつまでも

夜が明けるまでずっと待っていた
どうして行かなかったのだろう
君が遊興の場にいりびったっているのに
どうして放っておいてしまったのだろう

夜明けの光が射したとき
どこかへ飛んでいってしまいたいと思った
ずっと砂浜にひざまずいて
涙を手で受け止めるのをやめて

心はワインをしこたま浴びているのに
君の事がが頭から離れない いつまでも


Come Away With Me


Day Breaks


Norah Jones: Live In New Orleans [DVD] [2003] by Norah Jones


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