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それはスポットライトではない[私の好きな20世紀の唄たち]vol.11 [20世紀の歌]

IT'S NOT THE SPOTLIGHT (それはスポットライトではない) 
written by Barry Goldberg & Gerry Goffin
maki.jpg
私がこの歌にはじめて出会ったのは,日本語の歌詞で歌ったものであった。歌っていたのは伝説のブルースシンガー浅川マキ。マキといえば彼女を最初に見たのは中三の時。年末に東京にいる兄姉のところに遊びに行ったら,いきなり大晦日のマキの紀伊国屋ライブに連れて行かれた。衝撃だった…。それはともかく、それ以来マキの歌での「スポットライト」は私のfavoriteだった。その後大学に入ってから、マンハッタン・トランスファーのバージョンやロッド・スチュワート(これが一番ヒットしたらしい)のを聞いてそれなりに良かったが、しばらくするとまたマキに戻ってくるという具合であった。今でも夜中によく一人で歌ったりする。

「おいら」が「あんた」の眼の中に昔かいま見た「光」とは,それが「おいら」に向けられたものと考えたら恋歌になるし、「才能のきらめき」だとすれば今ではうらぶれてしまった芸術家への応援歌ということになるのかな,とも解釈できる。その両方だと考えるのが一番妥当かもしれないが,いずれにしても哀しさの底にかすかに見え隠れしている希望のようなものが感じられる歌である。やはり夜中に独りぼっちで口ずさむのがこの歌に一番相応しいのかもしれない

という訳で、今回はマキの訳詩の一部を訳の代わりに載せておく。原曲との違いを見つけるのも一興かもしれない(you know what I mean の解釈とか)。リフレーンの英語の部分はドラムスのツノダ☆ヒロが歌っていてこれがまた秀逸である。(初出 01.07.12 )

追記)浅川マキは2010年1月17日にあの世へ旅立った。これまで紹介してきた,また紹介するであろう歌い手や書き手の大半がこの世にいないというのはある意味当然のこと(20世紀の…なのだから)であるが,やはり取り残されたという思いは強いのもいたしかたない。

youtubeは77年京大西部講堂?のもの。ツノダ☆ヒロも参加
http://www.youtube.com/watch?v=m7AJWw5IJdY
ああ、ロッドの英語版も紹介しなくちゃね
http://www.youtube.com/watch?v=BwKOJRq2zTQ


それはスポットライトではない (大意。原詩は検索してみてください。)  

もしも光がまたおいらに
あたるならそれをどんなに待ってるさ
ずっと前のことだけれどその光に
気づいていたのだが逃しただけさ

だけど再びいつの日にか
あの光がおいらを照らすだろう

あの光そいつは古びた街の
ガス灯でもなく 月明かりでもない
スポットライトでなくローソクの灯じゃない
まして太陽の光じゃないさ

あの光そいつはあんたの目に
いつか輝いていたものさ
またおいらいつか感じるだろうか
あんたは何を知ってるだろか

It's not the spotlight, It's not the candlelight,
Its not the streetlight,
Its some old street of dreams,
It ain't the moonlight,
Not even the sunlight,
But I've seen it shining in your eyes,
And you know what I mean,
You know what I mean.

あの光そいつは古びた街の
ガス灯でもなく 月明かりでもない
スポットライトでなくローソクの灯じゃない
まして太陽の光じゃないさ

あの光そいつはあんたの目に
いつか輝いていたものさ
またおいらいつか感じるだろうか
あんたは何を知ってるだろか



淺川マキ「灯ともしごろ」

灯ともし頃(紙ジャケット仕様)


Atlantic Crossing


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