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思い出のグリーン・グラス[私の好きな20世紀の唄たち]vol.16 [20世紀の歌]

The Green, Green Grass Of Home (思い出のグリーン・グラス) 
words by J.Hall music by C.Putman
baez.jpg
お盆や年末年始の頃になると帰省する人々のニュースが流れ,ああ今年は帰らないんだなとふと故郷のことが脳裏に浮かんでくる。日本の都会に住む人達の半分が故郷を持っているのだなあとも思う。

「思い出のグリーングラス」は最初森山良子の歌で知った。都会で傷ついた女性が故郷に帰って癒されるという歌であった。(「悲しい夢見て 泣いてた私 一人都会で迷ったのよ 生まれ故郷に立ったら夢がさめたのよ…。」)その後トム・ジョーンズやジョーン・バエズの歌で原曲を知ると,この歌が単なる望郷の歌ではなくて,「死刑囚が処刑前夜に見た夢」という劇的な内容のものであることを知った。3番があまり生々しいので省略されることも多いらしい。1965年にこの歌を作ったと言われるカーリー・パットマンについてはあまりよく知らないが,この歌は今ではアメリカのカントリーのスタンダードナンバーにまでなっている。

アメリカン・フォークソングに多い「望郷の歌」と「囚人の歌」が一つになったものといえる。前に紹介した「幸せの黄色いリボン」も同じようなテーマだったように思うが,どの歌においても「囚人」に対する偏見や差別意識があまり感じられないのは日本とかなり違うところのようで興味深い。キリスト教を信仰する人々の中では,人を裁くのはあくまで神や法であって,人は誰も弱さを持つ同等な存在だという認識が根底にあるからだろうか。「世間体」や「恥」を重んじるかのような我々にそれを乗り越えることができるだろうか。少しずつ払拭していくしかないのかな,とは思うのだが。

ジョーン・バエズ版は最後のところを「永遠の絆」風に変えているのも面白い。(初出02.01.09)

Toutubeの一つはトム・ジョーンズ
https://www.youtube.com/watch?v=WN3ME-rgpws
ジョーン・バエズ版も
https://www.youtube.com/watch?v=aQhKqlOccHE


思い出のグリーングラス(大意。原詩は検索してみてください。)

故郷の町は昔と変わってなくて
列車から降りて行くとママとパパが待ってくれている
道のむこうからメアリーがこっちに駈けて来る
金髪で真赤な唇の可愛い娘だ
故郷の緑の草原に触れるのは気持ちのいいものだ

 そうみんなが僕に会いに来てくれて 手をふれあい優しく微笑んでくれる
 故郷の緑の草原に触れるのは気持ちのいいものだ

古びた我が家は前と同じように立っている
壁のペンキは乾いてひび割れてはいるが
庭にはあの古いオークの木が残っている
子供の頃よく登って遊んだものだ
小径に沿って恋人のメアリーと散歩する
金髪で真赤な唇の可愛い娘だ
故郷の緑の草原に触れるのは気持ちのいいものだ

ふと目が覚めて周りを見回すと獄舎の冷たい石壁に囲まれていた
やっと気がついたんだ,そう,夢を見ていただけなんだと
そこには看守と悲しげな老神父がいて
僕等は明け方の光の中,手を携えて刑場に向かい
その時僕はもう一度故郷の緑の草原を感じる

 そうみんなが僕に会うために あの古いオークの木蔭に集まってくるんだ
 そうして僕をあの緑の草原の下に埋めてくれる

 
*Joan Baez 版のラスト
(そう僕らはいつかまた一緒にいるだろう)
(あの古いオークの木の蔭で)
(僕らは故郷の草原の下で再会するんだ)


※ジョーンバエズのアルバムでこの曲が入っているのは少ないので探してみてくださいww


Greatest Hits


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