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映画『パラサイト 半地下の家族』@OSシネマズ神戸ハーバーランド [映画]

映画『パラサイト 半地下の家族』
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カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した映画だということで観に行った。パラサイト(寄生・共生)というと、99年ごろ流行った「パラサイト・シングル(Parasite single)」という言葉が思い浮かぶ。大学を卒業して就職しても家を出ず、親の家にずっと暮らしている若者たちを表す言葉だったが、今検索してもこの映画しか出てこないのは、反響の大きさを表しているのだと思う。前の年に同じパルムドールを受賞した『万引き家族』と似たコンセプトの映画のようだったが、実際観てみるとやはりお国柄の違いもあるようで、興味深かった。
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「半地下の家族」とは、ソウル市の最下層の貧民街にあるビルの、半分地下に埋もれたような部屋に暮らす人たちのことを指すようだが、実際そういう半地下の部屋を持つビルが多いのかどうかは、寡聞にして知らない。部屋の細く高い窓からは、路地が下からの目線で見え、住んでいる人たちが本当に最下層の暮らしをしていることを象徴しているように思われた。水圧の関係か部屋の一段高いところにあるむき出しのトイレも、何か汚物にまみれて生活しているかのような感じを受けた。
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主人公は一応キム・ギウという若者なのかな。妹もいて、どちらも大学受験に何度も失敗しているが、能力はありそうなのに、予備校に行く金がないためプータロウをするしかない。父親はいくつも事業に失敗し、元ハンマー投げの選手だった母親も加えた家族で、宅配ピザの箱の製作の内職で糊口をしのいででいる始末だ。
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そんなキム・ギウのもとに幼馴染のソウル大生から、留学中に家庭教師の代役を頼まれることから物語は急展開していく…。極端な格差社会にして学歴社会でもある現代韓国だが、一流大学に行くためにもお金がないとどうしようもないわけで、二人の幼馴染の間にもすでに格差が厳然とあるわけだ。
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ひょんなことから上流階級の娘の家庭教師をすることになるが、続いて妹が美術の家庭教師に、父親がお抱え運転手に、そして母親が家政婦としてそのお邸に入り込んでいく過程は、素晴らしく頭脳的で、いつの間にか上流階級の家族の間に寄生していくさまは痛快なほどである。しょぼくれた生活をしていた少し前からは考えられないほど家族に取り入っていた。こんな素晴らしい能力?を持ちながら、これまでそれを生かせずにいたのは、まさに貧困故であったと言いたいのだろうか。
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ただ、物事はそううまくいくはずもなく、もう一組のパラサイト家族との暗闘が絡んで、事態はとんでもない悲劇に突き進んでいく…。
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話の中で北の首領様を揶揄している場面もあったので、ひょっとしたらこの家族は脱北者の家族なんだろうかなと思った。現代日本社会もたいがい格差社会になりつつあるが、韓国のそれはさらに輪をかけたすさまじさのように見えた。そして他の多くの国々もまた格差社会になってしまっているこの世界に、強烈な鉄槌を加えた映画なのだと思った。私たちはもっと怒らなければならないのだというように。


第72回カンヌ国際映画祭で最高賞!『パラサイト 半地下の家族』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=VG9PjxVMd08

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Mona Lisa [私の好きな20世紀の唄たち] vol.70  [20世紀の歌Ⅱ]

Mona Lisa
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Words & Music by Jay Livingston & Ray Evans
Recorded by Nat "King" Cole, 1950
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「モナ・リザ(Mona Lisa)」は言わずと知れたジャズ・ピアニストでシンガーとして著名な、ナット・キング・コール(Nat King Cole、1919~1965年)が1950年に発表した曲であるが、私が初めてこの曲を知ったのは、カントリーのシンガー(&ソングライター)であるウィリー・ネルソンが、1980年頃出したスタンダード・アルバムの中に入っていたものからだった。ジャズ・スタンダードの門外漢だった私にとって、Stardust (1978)・Somewhere Over the Rainbow (1981)・Always on My Mind (1982)・Without a Song (1983)などのアルバムは当時格好の入門書でもあった。
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一方、本家本元のナット・キング・コールの方は、名前はよく知っていたのだが、時々ラジオで聞く程度であった。ブルーグラスとジャズ・ボーカルではテンポがかなり違うので当時は冗長に思えたのだろうと思う。女性ボーカル好きの私なので、1991年に娘のナタリー・コールが出したナットとの仮想デュエットの曲を含んだアルバム "Unforgettable" はよく聴いていて、そこからナットを「再発見」していったのかな。やっとこの年になってジャズ・ボーカルをしんみり聴けるようになったのかなと思う。でも、いざ自分が歌うとなるとまだまだ性急なリズムになってしまうけど(笑)。
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絵画を題材にした歌は、本稿でも前に紹介したドン・マクリーンの "Starry Night" があるが、あれは数々の慈愛に満ちた名画を描いたヴィンセント・ヴァン・ゴッホのことを書いた歌であった。この歌はダビンチの描いたモナ・リザを称賛した歌なのかと思っていたが、歌詞を改めてよく読んでみると、モナ・リザのように神秘的で美しい微笑みをたたえた女性が描かれていたのだと分かった。美しすぎる女性は、ともすれば周囲から遠巻きにされて、恋が成就しないということは現実の世界でもありがちなことなのかもしれない。
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youtubeはナット・キング・コールのものを含めていくつか。
Nat King Cole - Mona Lisa
https://www.youtube.com/watch?v=NIDX18Xl16s
Willie Nelson Mona Lisa
https://www.youtube.com/watch?v=ZvjqMt2nwno
Mona Lisa - Natalie Cole
https://www.youtube.com/watch?v=kod8qKfwepk


モナ・リザ (大意。原詩は検索してみてくださいね)

モナ・リザ、モナ・リザ、男たちはお前をそう呼ぶ
お前は実に神秘的な微笑みをたたえたあの女性のようだ
お前の微笑みの中にあるモナ・リザのような冷ややかさのために
男たちはお前をなじるけど
それはお前が孤独でいるからなのかい?

モナ・リザ、お前は恋人を誘惑するために微笑んでいるのか
それとも傷ついた内心を隠そうとしているしぐさなのか

多くの男たちの夢がお前の扉の前で閉ざされ
それらはただそこに残され朽ち果ててしまう

お前は生身の人間?実在の女?モナ・リザよ
それとも冷たく孤独で美しい、絵の中の女なのか?


ナット・キング・コール・ベスト


Somewhere Over the Rainbow


アンフォゲッタブル


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0123 Hobo & Friends @ 神戸ホンキートンク [バンド]

0123 Hobo & Friends @ 神戸ホンキートンク
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Hobo & Friends も今回で3回目になります。前回は途中からフィドルのY田さんが乱入してくれましたが、彼も前週に自分のライブがあるので頼みづらく…、ふらっと来てくれないかなと少し期待していましたが、やはり声をかけないのに行くのもためらわれるのでしょうね。難しいものです。
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今回は、10月にご一緒したギターの加登さんと、今年に入ってから2度ほど一緒に合わせたものを中心にセットリストを組みました。もちろん何があるかわからないホンキーですから、ほかの曲もたくさん用意して対応できるように考えましたが(笑)。10月に演ったもの(→参照)に新たな曲を加えましたが、15曲余りの中で10曲は彼が今回初めて知った曲だそうで申し訳なかったです。彼とは同年代で、FBを見た限りではブルーグラス出身でバンジョーもマンドリンもやるようだと思っていましたが、話してみるとブルーグラスは1年だけ(ナターシャ中心)で、日本のフォークを中心にやっていたそうです。
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知らない曲ばかりと言いながら、本番のこの日までに曲ごとの奏法をずいぶん考えて準備していらっしゃったようで、ふたを開けてみると素晴らしい間奏&バッキングを披露してくれました。彼が多くのミュージシャンに演奏を依頼される所以だなあと感心しました。今回は、あまり歌わないという彼に「上を向いて歩こう」を熱唱していただきました。次の機会にはもっとコーラスも参加してもらいたいと思ったことだよ(笑)。

ぐずぐずした空模様の木曜日のためか、初めはお客さんも見えず、8時過ぎに一人見えられたので演奏を始めることに。見えられたのは3年ぶりというN住さん。前に来られた時はブルーグラスの Bohemians の時でしたので、「今夜は偶然来られたのですか」と聞くと、「このユニットを目指して」と社交辞令でもうれしい言葉をいただきました。彼はブルースやフュージョンのギタリストなので、後で "I shall be released" のギターをアコギで弾いてもらいました。素晴らしいギタープレイでしたが、電池切れで録音できてなかったのが、残念でした。
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選曲のソースはブルーグラス・カントリー・スタンダード・フォークetc.と多彩ですが、ギター2本の構成だとフォークにしか聞こえないのかもですね。まあ、ギター2本でできそうな曲を選ぶとこうなりますな。様々なジャンルがありますが、その違いは楽器構成やリズムの違いによるもので、元の歌そのものは一つなんだね、ということが面白いですね。この曲をブルーグラス風に、とかフォークっぽくといろいろ試すのは面白いです。
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2ステージ目の途中から、何人かのお客さんが時間差で来店されたので、都合3ステージ+αの演奏になりました。最後はお客さんが歌う曲の伴奏もしましたが、「ああ、若いころのホンキーを思い出すなあ」と懐かしくなりました。近頃の多くのライブ・バーは、だいたい2ステージぐらいをきっちりやって終わるという形態が多いので、12時ぐらいまで店を開けていて、ふらっとお客さんが入ってバーボンを飲み、演奏を聴く、という昔ながらのバーも貴重な存在なんだと思います。
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次回は3月26日(木)の予定です。加登さんも来てくれるようだし、この日はマスターの命日にあたるということなので、マスターを偲んで来られた方々とジャムもできたらいいなあ、と思っておりますのでよろしくお願いします。
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Set List

Gentle on My Mind (E) 
https://www.youtube.com/watch?v=VBfPs2JEwA0
Mona Lisa (D)
https://www.youtube.com/watch?v=0hdAaJ7Ms98
Banks Of The Ohio (F)
Sweet Baby James (E♭)

上を向いて歩こう (F)
It't A Sin To Tell A Lie (F)
Changes (F)

PLACE IN THE SUN (A)
https://www.youtube.com/watch?v=ly1qAP4XZHg

Don't Think Twice (G)
Another Lonesome Day (G)
Last Thing on My Mind (D)

ウイスキーの小瓶(G)
Willin' (A)
Did She Mention My Name (A)
ミスター・ボージャングルス (F)
I Got A Name (E)

encore?
I shall be released (G)
Take Me Home Country Road (G)
It't A Sin To Tell A Lie (F)
Blowin' in the Wind (F)
Puff (A)
Tennessee Waltz (B)
Boxer (C)
遠い世界に(D)

伴奏(笑)
A Fool Such As I (C) 
Faded Love (A)

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0117「陸に上がった鵜」など(住吉川) [日々の散策]

「陸に上がった鵜」。脚を怪我したようだ。
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阪神淡路大震災から25年のこの日だったが、いつものように過ごした。様々な思いは頭をよぎるが、自分の中で反芻をしていればいいのかなとも思う。それさえしなくなっている昨今ではある。災害用に買っていたカセットコンロのボンベが5年間使われずにいたのを発見したので、すべて使い切って新たに買い足した。こういう備えも一度やっては忘れがちになっているなあ。

朝、芦屋川河口に出ると、ちょうど干潮で前に見た時より広大な砂州が出現していた。
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午後、住吉川の左岸を歩いていると、歩道上に何か不思議な物体が。
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黒いカバンかなと思って通り過ぎかけたが、気になって引き返してみると、なにか生き物のようである。下部をよく見るとヒレの付いた脚のようだった。反対側を見ると見覚えのある尾羽が。時々川で見かけるカワウ(鵜)だと直感した。
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カルガモも寒い時に頭を身体の中に突っ込んで、寝ている時があるので、どうもそうらしいと思ったが、傍を人が通り過ぎても微動だにしないのはなんだか不気味だった。

そのうち人がどんどん集まってきて、女の子の一人がキャーと声を出したら、驚いたように首をもたげたので、生きている鵜だと分かった。そのうちひょこひょこ歩き出したが、飛び立つ気配はない。よく見ると足を少し怪我をしているようだった。
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しばらく見ていたが、連れて行って手当をする術もないし、歩けるぐらいなので大丈夫と思うことにしてそのまま立ち去った。川によくいるので人馴れしているのか、怪我をしているから周囲をかまっている余裕がなかったのか…。「生き死にの悲しみ」という言葉が脳裏に浮かんだ。

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この日は午後1時ごろに歩いたので、二号線より上まで歩いてみた。時間が早かったためもあってか、下流のオス、上流のメスの両方のカワセミを見ることが出来た。
下流のオス(前後の日のものも含む)。
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上流のメス。
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珍しく飛んでいる動画が少し撮れた。

秋の終わりごろから、河川敷にあった樹木がいくつか伐られているのを見ていた。
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この日は新落合橋の下あたりの木々が大々的に伐採されようとしているのを見た。
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2018年の夏の豪雨で、住吉川の遊歩道の舗装などが剥がれてしまう被害があった(豪雨の後の「住吉川」参照)。その後時間はかかったけど舗装も修理されて元の姿を取り戻しているかに見えていたが、川の中州に大きく成長していた樹々が川の流れを妨げているという判断があったのだろう。それも分かる気もするが、人工的な河川が多い中、自然と融合しているようにも見えた住吉川の景観が少し失われるのはやはり淋しい気持ちがした。

翌日の20日、朝から家を出たので川の上流まで歩いてみた。
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新落合橋の下あたりは木も草も刈り取られて丸裸になっていた。
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同じアングルで9月ごろ撮ったもの。
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新たに植栽もされて往時に近い姿になるのかもしれないが、ちょっとはげしく伐りすぎたようにも思われた。このあたりに住んでいたカワセミのメスは、居場所を失ってどうしただろうと思って歩いていると、すっかり刈り取られた中州の岸に件のカワセミがとまっているのを発見した。
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「オレの(メスだから私の?)棲み家はどこへ行ったんだ」と呆然としているようにも見えた。が、それは見ている人間の感傷かも知れなくて、本人は案外次の棲み家をとっとと見つけて、今日の獲物を探しているだけかも知れなかったが。
アオサギも同じ気持ち?
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樹を伐るより、盛り上がった土砂の部分を浚えるのが水害防止にはより重要だろう、と素人目には思うが、これからそれもやるのかもしれないので、見守っていこうと思ったことだよ。
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0108「蝋梅」~0112「とんど焼き」 [日々の散策]

1月の花は「蝋梅」。
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1月の花は「蝋梅」と書いたが、この花を初めて知ったのは去年の1月であった(20190120の記事参照)ので偉そうなことは言えない。その後近所を歩き回って何か所かで咲いているのを見つけた。気になり出すといろいろ探索してしまうのが僕の悪い癖(相棒?)。今年もそろそろ蝋梅の時期だなと思っていたが、去年より10日も早く見ることが出来た。

住吉川左岸の河口付近の川べりにある蝋梅の木だが、二号線まで歩くようになってからは時たましか通らなかった。この日はたぶん午前中雨で歩けなかったので、いつもよりコースを長くとったので、遭遇することが出来たが、夕方近くで薄暗かったので初めは気付かずに通り過ぎたのだった。去年見た時は時期が遅かったためか葉も伸びていたと思うが、今回はまず花が咲いてそれから葉が…という過程を確認することが出来そうだ。
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同じ日上流まで歩いたところで、カワセミのメスにも出遭うことが出来た。こちらもやや薄暗くてしかも望遠なのでピンボケになってしまったが。
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こちらは下流のオスのカワセミ。最近よく見る。
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葉を落としたはずの南京櫨の樹にまた葉が?と思ったら雀の葉だった(笑)。
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近所の蝋梅も咲いているかどうか確認してみた。概ね咲いているが、大桝公園のはまだ一輪しか咲いていなかった。日当たりとかで違うのだろうか。この日は「とんど焼き」が10時から西浜公園であるので、それまでの時間にしめ飾りを持って歩き回ってみたのだった。
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少し早く会場に着いたので、開会のセレモニーから見ることが出来た。お世話をしてくれる自治会の方々に感謝。
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去年は手術後間もない時だったので、なんとか一年無事で過ごせるように祈ったが、こうして再び「とんど焼き」を迎えることが出来たことは僥倖である。取り敢えず直近の内視鏡による3ヵ月検診をクリアーしなくてはね。
早咲きの寒紅梅がもう咲き始めていた。
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花が咲き始めると新しい春を感じる。


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0107 七草がゆ [日々の雑感]

半額セールで手に入れた「 七草がゆ」セット。
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七種粥とは、「人日の節句(1月7日)の朝に食べられている日本の行事食(料理)」。正月の行事の一つとして幼少時から知ってはいた。ただ「鏡開き」「とんど焼き」に続く行事の流れとして知ってはいたが、実際は七草の全てが現実には手に入りにくいからか、いくつかの野菜が入ったお粥か雑炊のようなものを食べていたかもしれない。正月にお節や雑煮などたくさん食べて弱った胃を休ませるためというのは理にかなっているようにも思える。今の我が家では大晦日・元旦ですでに食べすぎ飲みすぎで、2日の夜ぐらいが適当と言えるかもしれないが(笑)。

「セリ、ナズナ(ぺんぺん草)、ゴ(オ)ギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ、ホトケノザ(田平子)、スズナ(蕪)、スズシロ(大根)」の「七草(七種)の名は正月が来るたびに覚えてみては忘れるといった具合である。この正月の5日に近所のスーパーに行くと、「七草がゆセット」が店頭に並べられていた。去年も出てたかなあと覗いてみると二種あって、一つはフリーズドライでお湯を入れたらいいというもので、もう一つは大分産で小さな大根や蕪も入った本格的な?セットであった。大根や蕪・セリは季節の野菜なので手に入りやすいが、他は野草なのでよく集めたものだなあ、と感心したが、家人と目を合わせた結果、邪魔くさくない方を買って帰った(笑)。

7日の晩、飲みに行ったついでにスーパーを覗くと、すでに売り切れていて、代わりにホウレンソウなどの7種の野菜が入ったセットが置いてあった。
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前に覗いていたおばちゃんが「昨日のと違う」というしぐさで商品をかき回していたのが可笑しかった。売り切れたら似たものを仕入れて、安く売るというのはなかなかの商魂だなと思ったが、物が野菜なので節分の「恵方巻き」のようなフードロスの心配が少ないのはよかった、と思ったことだよ。

酔いも手伝って面白いと思って、近くの別のスーパーに行ってみると、最後の一つが半額セールになって売っていたので、思わず買って帰ったのが冒頭の写真(笑)。「こんなもの買って来て」という顔をされたが、翌日の夕餉にはちゃんと出て来たのでありがたくいただいた。
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wikiによると島根県隠岐郡隠岐の島町では「早朝、鍬初めの儀を行ったうえで炊く粥。手に入る七草入り」だという。そして「6日の夜を『年の夜』」といい、白米飯、鍬、ユズリハを歳神に供える。翌7日の早朝、鍬とユズリハ、さらに神酒や干し柿を持参して田に赴き、三鍬打ってユズリハを立て、神酒などを供える。この儀礼を『鍬初め』という。」ということだがあまり覚えがないなあ。私の祖父は鍛冶屋をしていたし、田畑も持っていたので同じ風習をしていてもおかしくないと思うのだが。私が中3までしかいなかったので知らないのか、隠岐の中でも奥地だったのでそのような風習が根付いていなかったのか…。また、故郷の誰かに尋ねてみようと思ったことだ。
西浜公園のしめ飾り。
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Changes(木の葉の丘) [私の好きな20世紀の唄たち] vol.69  [20世紀の歌Ⅱ]

Changes (木の葉の丘)
written by Phil Ochs 1966
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この歌を初めて聴いたのは、森山良子のセカンドアルバムに入っていた日本語版によってであった(1967「愛する人に歌わせないで」所収)。当時中学生だったと記憶しているが、兄姉たちが買って帰った数枚のアルバムの中の一つであったので、何もわからぬまま何度も聴いていたと思う。A面がオリジナル、B面がアメリカのフォークやスタンダード(フランスのもあったか)を原語や訳詞で歌っていて、今振り返ってもいいアルバムだった。
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その後大学に入ってから、ブラフォーやライトフットが歌っているのを聴いたが、作者のフィル・オクスについて知ったのはごく最近のことである。昔は、誰それが歌っているあの曲というような受け入れ方しかしていなかったのであった。
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フィル・オクス(1940~1976)の音楽的デビューは1962年頃らしい。時に比較されるボブ・ディランの最初のアルバムがやはり62年だからほぼ同時代といっていい。ディランが "Blowin' In The Wind" や "The Times They Are A-Changin'" などの歌でプロテスト・シンガーの旗手となりながら、そこから脱却し、自らの音楽を進化させていったのに対し、フィルは生涯を通じてプロテスト・ソングの枠から出られずにいたとも言われている。

彼のことをよく理解もしていないのでこれ以上の言及は避けたいが、この項で取り上げたフィルの歌は、同じ"Change"という語を使いながら、ディランの「時代は変わる」とはずいぶん趣を異にしていると感じられた。ディランが旧態依然とした社会に対して変革の必要性と可能性を声高に語っているのに対して、フィルの歌は常に変化して生まれては消えていく、生きとし生けるものの定めのようなものを歌っているように思えた。

観念的・哲学的な字句が使われていて、うまく訳せない部分も多いのだが、私たち日本人(東洋人?)には、鴨長明の『方丈記』にあるような仏教的無常観などを連想させるような世界観が表されているような気がする。しみじみとしたいい詞だと思うのだが、若いソング・ライターがこれから様々な可能性を切り開いていく、というよりは、様々な体験を経て、一種の諦念にも似た心境に到達している、というようにも見えなくはない。この曲が彼のその後を決定づけたなどと言うつもりもないのだけれど。

森山良子が歌っている邦題「木の葉の丘」の訳詞をしたのは、ビートルズなどのプロモートをしていた星加ルミ子という人らしい。原詩の内容を日本語に乗せるのは難しいと思われるが、原作者の意図するところをやさしい言葉で、うまく表現しているように思う。
一部を紹介すると、

世界のどこでさえも生まれるものと
消えるものがすべてを変える
いつでもChanges
朝(あした)の祈りさえもざわめきの中に
いつのまにか消されてしまう
いつでもChanges
生きてるつながりさえ細い鎖だけ
移り変わる世界はいつでも
いつでもChanges

中学生の自分もこの歌を口ずさみながら、はかなさのようなものを感じていたと思う。人生の終盤に差し掛かってきた自分には、また昔とは違った感慨を以て感じられるようだ。彼がそう長くはない生涯の間に作った多くの曲を寡聞にして知らずにいるが、この曲と、バエズやPP&Mも歌っている "There But for Fortune" などの歌は、これからも大切に歌っていきたいと思った。

youtubeでは実に多くのカバーがあげられているが、本人のものを含めていくつか紹介しておく。
最近ではかのセルダム・シーンも取り上げているなあ。

Phil Ochs - Changes
https://www.youtube.com/watch?v=rlVfVBFdMaM
The Brothers Four - Changes 木の葉の丘
https://www.youtube.com/watch?v=soXt6L7FFDs
GORDON LIGHTFOOT ~ Changes ~
https://www.youtube.com/watch?v=cybVspvzb9g
木の葉の丘 森山良子 
https://www.youtube.com/watch?v=RqrCW0FpisM
Neil Young Changes
https://www.youtube.com/watch?v=MUwYaHXxIkg
Changes The Seldom Scene
https://www.youtube.com/watch?v=yn3Zw4mwzRE
Changes :: Tony Rice (Nightflyer)
https://www.youtube.com/watch?v=zWHrjVNM3FY


チェンジス(大意。原詩は検索してみてくださいね)

僕のそばに座って空気と同じくらい密着して
灰色の記憶の中で
僕がチェンジという言葉をもてあそび
紡いだ言葉の中に彷徨い
浮かんだ映像について夢想するのに
しばし付き合ってくれ

夏の間緑だった木の葉が秋には赤く色づき
茶色や黄色に変わり
やがては変化という輪廻の循環の中に
とり込まれて枯れてしまう

若かったころの光景は温かいイメージとして心に残るけれど
その輝きは実は影のような幻に過ぎず
変化という運命の糸にからめ取られたものだと
いつか気付いてしまう

この地球は狂おしく回転していて
闇の中にただよい
霞の空洞の中を通りながら揺れ
星たちが太陽の周りを競争するように回るのは
変化という節理に燃える宇宙を巡る旅だ

時間という魔法は夜に輝き
森の全ての恐怖は無くなってしまうように見えるが
それらの幻も変化の中で朝日の光の一閃で
奪い取られてしまう

情熱も奇妙なメロディを奏でてバラバラになっていく
火が時には冷たく燃えるように
風に舞う花びらのように
変化という魂の銀の糸に操られる人形みたいに




Live Again!


Changes


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0104 初詣『保久良神社』@神戸市岡本 [日々の散策]

保久良神社の裏参道から見えた夕日。
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この日は午前中住吉川を歩いていた。カワセミはこの日も姿を見せ、何人かのカメラマンもいた。
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午後3時ごろになって、ふと思いついて保久良神社に行ってみることにした。保久良山に退職後初めて登ったのは2014年の9月だった(なんちゃって登山vol.8保久良山)。あの頃は足が相当なまくらで、下りるときに足がプルプルして斜め歩きをしていたのを思い出した(笑)。今回は歩きながら、「なんちゃって登山」でなく「日々の散策」カテゴリーにしようかと考えたくらいなので、ずいぶん成長?したものだ。

甲南大学のそばのPに車を停めたので、市街地歩行が結構長かった。いつも横目に見ながら通り過ぎていく「岡本八幡神社」にも今回は立ち寄って初詣することにした。
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さて今回も西側の裏参道から保久良山に向かう。さすがに平地のウォーキングより負荷がかかるが、さほど息を切らすことなく登ることが出来た。途中の木々の切れ目から三宮辺りの市街地が遠望できた。
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この時の記憶が後で夕日を見ようと思い立つことにつながった。
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16:10 保久良神社到着。ここからの大阪湾のパノラマはいつ見ても素晴らしい。
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鳥居をくぐると、前にはなかった干支の像が並んでいるのが見えた。綱敷天神社のものと酷似しているので、同じ業者の作ったものだろうと思われた。あちらは方位に沿って円陣を組んで並べてあるけど。
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本殿に参拝。
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ここにも絵馬が。天神様のと同じかと思ったらこちらには黒い猫が隠れていた。
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神社を出る時が16:20頃だったので、来た時の参道から夕日が見えるのではないかと思い、時間を合わせるようにゆっくり歩いて下りた。
地元の「本山第一小学校」の植栽地の看板があった。
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16:40 件の木々の切れ目に到着。西の空は厚い雲に覆われているように見えたので、夕日は見えないかなと思ったが、黒い雲の下の方が赤く染まっていたので、それでも撮っておこうとシャッターを切った。
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寒いので帰りたくなったが、我慢して佇んでいると、黒い雲の下に夕陽が次第に姿を現してきた。
以下時系列的にいくつか写真を上げておく。

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思いがけず素晴らしい落陽を見ることが出来て、少し心が温かくなった、と思えたのはつかの間だったが(笑)。

山の端に日が沈むまで見ようと思っていたが、今度は下から黒い雲が出てきて夕日を隠してしまったのはやや残念であった。
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神戸ホンキートンク1月のスケシュールなどなど [神戸ホンキートンクライブ日程]

令和2年の初カワセミ、といっても3日前にも見たんだけどね(笑)。
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このあたりにいるのは1個体だと思われるので、少し見ないと怪我をしたんじゃないかとか、後ろの毛が抜けているなどと心配してしまうのはもはや病気?という状態ですが、今年も花鳥と歌を友として日々過ごしていきたいと思っております。自分のバンドも去年の後半から減ったりしていますが、これからも、これはいい曲と思える歌を、機会を見つけて歌っていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

さて、今月の自分のライブですが、

1月23日(木) 19:30 Start
"Hobo & Friends"

前回は途中からフィドルのY田さんが参入してくださって楽しいライブになりました。今回は前々回に登場したギターのK登さんが参加してくれることになっています。他にも声をおかけしたいのはやまやまですが、気後れしてしまって(笑)。セッションしてやろうという方は大歓迎ですので是非お声がけください。いくつかの曲は決めていますが、あとはリクエストやその場のメンバーによってランダムにやるつもりですのでよろしく。
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前回のレポート
https://hobot2.blog.ss-blog.jp/2019-11-28
前々回のレポート
https://hobot2.blog.ss-blog.jp/2019-11-04
前回のレポートのアクセスがムチャ多かったのでびっくり。読んだ人が来てくれたらいいのになあ、と思ったことだよ(笑)。


神戸ホンキートンク1月のスケジュールがFBにアップされたので転載します。今月は日・月がほぼお休みですが、それ以外は大体開いているはずですので、お店にご確認の上是非お越しくださいね。また開いている日はバンド歓迎とのことなのでご相談を。

神戸ホンキートンク
神戸市中央区加納町2-2-2
Tel:078-241-2161
ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/mutsuko_2005_7_9_0423
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神戸ホンキートンク1月のスケジュール
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(クリックすると少し大きくなります)


それでは今月も、そして今年もよろしくお願いいたします。

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2020 年頭雑感 [日々の雑感]

謹賀新年。今年の初詣もやはり石屋川の「綱敷天満神社」。
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昨日までとさして変わらぬ今日なれど 少しく改まりたる年初かな(hobo)

大晦日は、珍しく「紅白」を全部観てしまった(笑)。年越しそばと一緒に酒もかなり飲んだので、普通なら寝てしまうのだが、この一年夜飲んですぐ寝るというのは厳に自制しているので、年末年始だからといって破るわけにはいかないと思っているからかな。PCをいじりながらではあるが、この日の紅白は、年功序列ではない力のある歌手たちを起用していると感じられた。どれもよかったが、たけしさんの「浅草キッド」とユーミンの「ノーサイド」が心に沁みた。聴く人の心に訴える歌を歌っていきたいと思ったことだよ。無理かもだけれど。

お蔭で?元旦の目覚めは8時半。今年も初日の出は拝めなかったので、もらった写真を載せておこう。
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家人渾身の?お節と雑煮を(お屠蘇も)いただいて、普通ならまた寝るのだが、「心改まって」いるので、近所を初ウォーキング。なんでも正月にやると初~になるのがなんだか可笑しい。まあ、人間毎日をダラダラ生きているとどうしても負のスパイラルに陥りがちなので、旧い慣例などと言わずにそれに従うのも意味があるのだろう。
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家から芦屋浜を半周してみた。一周にしないところが奥ゆかしい?
まず芦屋川河口へ。
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川は干上がっていたが、河口の砂州は前と違った形になっていて面白かった。
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海沿いに南へ。
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南岸を東へ。潮芦屋との間が運河になっている。
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ここの遊歩道の柵はカヌーの模様になっている。
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年末にユリカモメ(都鳥)をチラッとしか見られていないので、いるかなと思って歩いていたが、一向に見えない。仕方ないので少し前に同級生がFBに上げた秀逸な写真をお借りして上げておく。
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ちょっと悔しいがいい写真!
西を見ると湾岸線の深江大橋が望める。
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宮川河口で北に上がる。
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臨港線まで行くと、そこにこんな標識が。
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先ほど通った運河は「芦屋キャナルパーク」というんだ。最近命名されたのかな。

ここで西に折れて中央公園を通って帰ったら6000歩ほど。いいウォーキングになった。
宮川付近から甲山が見えるかなと思っていたが見えなかった。思いついて近所の住宅の6階に上がってみたら見えたのがこの写真。
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1階に住んでいると見えない風景だなあ。

昼過ぎ、遅い昼食を食べる前に初詣をしようと、御影の石屋川沿いにあるホーム神社「綱敷天満神社」に行ってみた。
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去年より多い参拝客。
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毎年新しいアイテムが作られているなあ。
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これは鞍馬寺にもあった「六芒星」。パワースポットも目指している?
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家に帰って、遅い昼食・遅い夕食と久しぶりに三食食べてしまった。正月だから仕方ないか。明日からまた一日二食の生活に戻ろうっと。
本年も宜しくお願いいたします。
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おまけ。年末に見た大阪湾の幻想的な情景。
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おまけ2。
0102 今朝緑道を歩いていたらダイエーの手前から甲山が見えた。記憶に間違いはなかったね。
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