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映画『リスペクト』@OSシネマズミント神戸 [映画]

映画『リスペクト』
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Aretha Franklin
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バンドを一緒にやっているN君がFBで紹介していたので、ソウルの女王アレサ・フランクリンの半生を描いた伝記映画を観てきた。アレサ役を演じたジェニファー・ハドソンは、アレサ本人から生前に指名されていたということで、まるでアレサの魂が乗り移ったかのような圧倒的な歌唱が何より心を揺さぶった。といってもそれほどアレサ自身もハドソンのこともよく知っていたわけではなかったのだけど(笑)。2006年公開の「ドリームガールズ」は確か観た記憶があるのだが、まあ、どの映画を観ても誰が演じていたかはあまり記憶に残らない性分ではあるなあ。
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アレサの名はさすがに知っているが、これまでちゃんと聴こうとしてきたわけではなかった。だから映画の感想も門外漢としてのそれであるので、彼女のファンにとってはつまらない感想になることをお許しいただきたい。例えばキャロルキングの "(You Make Me Feel Like) A Natural Woman"を最初に録音したのはアレサだったとか、ビートルズの "Let It Be"もそうなんだということに驚いたりしたのだった。また、彼女が生涯にグラミーを20回も受賞していたということにも驚いた。まあ、門外漢が興味を持ち始めるのはこういうことがきっかけなんだな。ちなみに、かのアリソン・クラウスは第一位の21回受賞というのにもこれまた驚いたのだが。
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アレサの父親はデトロイトでは説教者として有名な教会の牧師であり、映画でも彼の邸宅でのパーティに多くの名士たちやミュージシャンが集う場面から始まる。貧しい身から努力してのし上がるといったよくあるサクセスストーリーとはちょっと違うなと思った。少女の頃からその抜群の歌唱力で天才と称されたアレサだが、幼少期は大人たちのパーティの余興に駆り出されていた。また、父親の母親へのDVや、本人も12歳ぐらいで、妊娠・出産したり、夫から暴力を受けたりしているがそれらは抑制された描写で匂わせているだけにとどめられていた。かのキング牧師とも親交があり、黒人の人権のために尽力もしている父娘ではあるが、その裏には重く暗い澱のようなものが潜んでいたのかも知れない。
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1961年にコロムビア・レコードからデビューするが、当初はポップスシンガーとして売り出していて、また本人もただヒット曲が欲しいだけのようでもあったので、あまり大きな反響が得られなかった。66年にアトランティック・レコードに移籍し、アラバマ州マッスル・ショールズのフェイム・スタジオでレコーディング作業をした時に彼女に転機が訪れたように描かれていた。楽譜もない状態で演奏を重ねながら曲を仕上げるという方法をとる中で、アレサの中で自分の歌を歌いたいという欲求が芽生えてきたのかな。標題の"Respect"は、この曲の制作過程で彼女が真のソウルシンガーに脱皮していった様がよく分かった気がした。バックコーラスの "just a little bit" というフレーズの繰り返しが耳に残った。
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それにしても何を歌ってもソウルになってしまうアレサも映画の中のハドソンもすごいシンガーだなと思わずにはいられなかった。帰ってからも二人の歌唱を何度も反芻するのであった。
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アレサ・フランクリン リスペクト 1967 / Respect



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