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映画『ワイルド・ローズ』@なんばパークスシネマ [映画]

Wild Rose
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映画を観るのは4ヵ月ぶりだった。自分が行く映画はそんなに観客が多くて密になるようなことのない映画が多いのだが、そもそも劇場がずっと閉鎖だったものね。この映画も神戸のシネリーブルで夕方一回だけの上映だったので、3時ごろの上映があるなんばパークスシネマに行くことにした。ここは前にハンク・ウィリアムスの伝記映画『アイ・ソー・ザ・ライト』を観た劇場だった。ついこの間と思っていたのにもう4年も前になるのか。

スコットランドの港町グラスゴーに住むカントリー好きの女の子が、ナッシュビルに行ってカントリー・スターになることを夢見て…、というサクセスストーリーで、主演の女優が吹替なしで歌っていてすごく上手だ、という程度の予備知識で観たのだが、映画は予想を良い意味で裏切る出来のものだった。
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先ず主演のジェシー・バックリーであるが、3月に見た『ジュディ虹の彼方に』で、ジュディのイギリス公演中のマネージャー役をしていた女性を演じていた人だと分かった。その時調べてこの映画のことも目に入っていたと思われるが、「ジュディ~」より一年前に公開された映画だったので、観ることになるとは思っていなかったのだろうと思われる。ジュディを演じたレニー・ゼルウィガーの歌も素晴らしかったが、シンガーソングライターとしても活躍しているという彼女の歌はまさに圧巻だった。
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物語は覚醒剤の横流しの罪で服役していたローズ=リン・ハーランが出所する場面から始まる。アメリカのカントリー・ミュージックを知っている人々がほとんどいないグラスゴーで生まれ育ったローズはなぜかカントリー・ミュージックに心酔し、いつかカントリーの聖地ナッシュビルに行ってカントリー・スターになることを夢見ていた。ここが一番設定として無理があるところだが(笑)。一方、やや無軌道に自分の気持ちのままに生きてきたため、若くして子供を二人産み、シングルマザーとして生きてきた。ハンディをいくつも抱えた彼女が本当に夢をかなえることはできるのだろうか…。
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紆余曲折あった末、彼女はそれまで彼女の夢を阻み、「自分の責任を果たせ」と説教され続けてきた母親の助けによって、夢だったナッシュビルに行くことが出来たが、そこは彼女が思い描いていたところではなかった…。これ以上はネタバレになるので控えるが、最後にステージで自分のオリジナル曲 "Glasgow (No Place Like Home)" を歌った場面にすべてが集約されていたように思った。歌の中の "Yellow Brick Road" は「オズの魔法使い」に出てくる言葉で、ここでも「ジュディ~」と何かつながっているなあと感じた。「黄色いレンガ路」は「エメラルドの都」へと続く道で、スターダムへの道の比喩でもある。そういえばエルトン・ジョンの "Goodbye Yellow Brick Road" も似たような気持ちを歌っていたのかなと思ったことだよ。
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設定にやや無理を感じる部分もあるが、単なるサクセス・ストーリーに終わらず、現代に生きる人たちが、様々な軋轢を乗り越えて自分の夢をあきらめず生きようともがく姿に共鳴を感じながら観ることが出来た。劇中で本人が歌う、ジョン・プラインやエミル―の曲なども素晴らしかったが、彼女が愛するカントリーの名曲も心に響いたし、前に立ち寄ったナッシュビルの街の映像も懐かしく見ることが出来た。
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自分が行った劇場ではそろそろ上映終了のようだが、これから始まるところもあるようなので、下の公式ページで調べて行かれるとよいと思う。

「ワイルド・ローズ」公式ホームページ
https://cinerack.jp/wildrose/

youtubeからジェシーの歌声を。他にもたくさんあるよ。
Jessie Buckley Performs 'Glasgow'
https://www.youtube.com/watch?v=bwezASGXxvE
Jessie Buckley -Angel from Montgomery
https://www.youtube.com/watch?v=FKEmC7olNFQ



Wild Rose


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