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映画『アルツハイマーと僕 〜グレ・キャンベル 音楽の奇跡〜』@神戸アートビレッジセンター(新開地) [映画]

"Glen Campbell: I'll Be Me"
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Glen Travis Campbell
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グレン・キャンベルが亡くなったのは2年前の2017年8月8日、81歳だった。晩年のグレンがアルツハイマーを発症していたのはなんとなく知っていた気がする。2011年8月に発表されたアルバム "Ghost on the Canvas" をなぜか買っていたので、その時に病気のことも知ったのだろうが、その年齢になったら誰にでもあり得ることだからなあ、ぐらいに受け止めていたような気がする。
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その2011年の6月に、自分が半年前にアルツハイマーと診断されたことを発表した(75歳)。そして最後のアルバムを出したのだが、実はそれで終わりではなかったのだった。その年の8月から2012年11月まで1年以上にわたり、"Good Times – The Final Farewell Tour" と銘打って、北米とヨーロッパのツアーを行っていたのだ。自身の子供たちのうち3名をバックバンドに加え、文字通り家族一体となって、病気と闘いながらのコンサートツアーだった。
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他の病気と違って、ミュージシャンがアルツハイマーになり、それが進行するということは、ミュージシャンとしての<死>を意味する。楽器も弾けなくなり、歌も歌えなくなるからだ。それは<死>以上につらいことだったに違いない。だが、彼はそれをあえて公表し、演奏を続けることを通して病気と闘っていこうとした。何が彼をそうさせたのだろう、と考えながら映画を観ていた。
グレンを語るミュージシャンたち。
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齢をとってから運動をしたり楽器を演奏したりするのは、老化防止になるということはよく聞き、自分もそうかなと思いながら実行したりもしている。彼を襲った病気はそんな考えを吹き飛ばすように確実に進行していく。ツアーの終わりごろには本当に歌もギターもおぼつかなくなってしまうさまが赤裸々に映像化されていて痛ましい。アルツハイマーという病気がどのようなものか、そしてこれからこの病気を克服する医療が生まれることを願ってツアーを行い、このドキュメンタリー映画を撮らせたのだろうか。
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どんな自分も自分だ、という強い信念が彼の一生を貫いていたのかもしれない。そうありたいと思う自分もいるが、なかなか常人にできることではないなあ、と思いながら映画を観終わった。2014年に作られた映画がなぜ今日本で公開されることになったのかはよく解らない。兵庫でも1館しか上映していないのもよくわからないが、今後さらに多くの上映館が出てくるかもしれない。
公式サイトURL
http://wowowent.jp/illbeme/

2014年4月、78歳でグレンは長期間のアルツハイマー治療施設に入所し、その3年後に息を引き取った。彼の最晩年のアルバムを聴きなおしながら、最期までミュージシャンであり続けようとした彼の生きざまを反芻していきたい。

映画のエンディングに流れた曲。
~Not gonna miss you - Lyrics~
https://www.youtube.com/watch?v=tZ5KZgIC1fM

Glen Campbell: I'll Be Me
https://www.youtube.com/watch?v=F13AslSXg7w

Glen Campbell Biography: Still On The Line (2001) ~ Full Length Original
https://www.youtube.com/watch?v=2H5Ans_W3Vg


Ghost on the Canvas


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